防火対象物点検、きちんとできていますか?

防火対象物点検、やってますか?
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防火対象物点検は「設備」ではなく「防火管理体制」を確認する点検

飲食店、物品販売店舗、病院、ホテルなど、利用する人が日々入れ替わる建物では、消火器や避難口の位置がすぐにわからないなどの理由から、火災が発生した際に被害が大きくなるおそれがあります。

そのため消防法では、一定の条件に該当する防火対象物について、防火管理の状況を年1回点検し、その結果を消防署へ報告することが義務付けられています。

これを「防火対象物点検報告制度」といいます。

防火対象物点検は、消火器や自動火災報知設備、誘導灯などの消防用設備等を確認する「消防用設備等の点検」とは異なり、建物の防火管理体制そのものを確認する点検です。

消防用設備等の点検では、たとえば消火器に異常がないか、自動火災報知設備が正常に作動するか、誘導灯が点灯しているかなど、主に設備の状態や機能を確認します。共同住宅やテナントビルなどでは、点検作業員が室内に立ち入り、天井に設置された感知器を専用の試験器具で確認することもあります。

一方、防火対象物点検では、防火管理者が適切に選任されているか、消防計画が作成・届出されているか、消防訓練が実施されているか、避難経路に物品が置かれていないか、防火戸や避難施設が適切に管理されているかなど、防火管理上必要な事項を幅広く確認します。

つまり、消防用設備等の点検が「設備が正常に使える状態か」を確認する点検であるのに対し、防火対象物点検は「建物の防火管理が適切に行われているか」を確認する点検と言えます。

また、この点検は誰でも行えるものではありません。消防法に基づき、防火対象物点検資格者が点検を行い、その結果を報告書としてまとめる必要があります。

なお、制度の概要や対象となる建物については、東京消防庁の案内でも確認できます。

《参考》東京消防庁「防火対象物点検結果報告書」
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/drs/ss_05/003.html

防火対象物点検が必要な建物とは

防火対象物点検の対象となるのは、飲食店、物品販売店舗、病院、ホテルなど、利用する人が日々入れ替わる特定用途防火対象物のうち、防火管理者の選任義務があり、次のいずれかに該当する建物です。

  • 建物全体の収容人員が300人以上のもの
  • 建物全体の収容人員が30人以上300人未満で、地階または3階以上の階に特定用途があり、階段が屋内1系統のみのもの

ここで注意が必要なのが、「階段が屋内1系統のみ」という条件です。

建物全体では屋内階段が2系統以上あっても、テナントや区画によって避難に利用できる屋内階段が1系統しかないときは、「階段が屋内1系統のみ」と判断されることがあります。

特に、複数のテナントが入居する建物や、区画ごとに利用できる階段が限られている建物では、図面上の階段数だけでなく、実際にその区画からどの階段を使って避難できるかを確認することが重要です。

また、防火管理者の選任義務は、用途や収容人員により基準が異なります。社会福祉施設など一部の用途では、収容人員10人以上で防火管理者の選任義務が生じる場合があります。

そのため、「うちの建物は対象外だと思っていた」という場合でも、用途変更やテナント入替、収容人員の増加などにより、実は点検報告の対象になっているケースがあります。

なぜ防火対象物点検報告制度ができたのか

防火対象物点検報告制度が設けられた背景には、2001年9月に東京都新宿区歌舞伎町で発生した雑居ビル火災があります。この火災では44名もの尊い命が失われ、その後の消防法改正に大きな影響を与えました。

火災の被害が拡大した要因として、防火管理者の選任や消防訓練、消防用設備等の維持管理が十分でなかったことに加え、避難経路である階段への物品放置、防火戸の不備など、日常的な防火管理に関わる問題が指摘されています。

火災は、消防設備が設置されていれば必ず防げるというものではありません。設備があっても、避難経路がふさがれていたり、防火戸が正常に閉まらなかったり、消防訓練が行われていなかったりすれば、いざというときに機能しないおそれがあります。

こうした教訓を踏まえ、一定の条件に該当する防火対象物については、管理権原者が防火対象物点検資格者に防火管理の状況を年1回点検させ、その結果を消防署へ報告する仕組みが設けられました。

これが「防火対象物点検報告制度」です。

防火対象物点検報告制度が設けられた背景には、2001年9月に東京都新宿区歌舞伎町で発生した雑居ビル火災があります。この火災では44名もの尊い命が失われ、その後の消防法改正に大きな影響を与えました。

防火対象物点検報告を怠るとどうなるのか

防火対象物点検の対象であるにもかかわらず、点検結果を消防署へ報告しなかった場合や、虚偽の内容で報告した場合には、消防法に基づく罰則の対象となる可能性があります。

消防法では、防火対象物点検の結果を報告しなかった場合、または虚偽の報告をした場合について、「30万円以下の罰金又は拘留」の対象となる旨が定められています。また、法人の業務に関して違反があった場合には、法人にも罰金が科される可能性があります。

実務上は、立入検査などで未報告が確認された際に、まず点検・報告の実施について指導を受けることもあります。ただし、指導後も対応しない場合や、虚偽の内容で報告した場合、点検済であるかのような表示を不適切に行った場合には、法令違反としてより重く扱われる可能性があります。

また、点検報告が未実施のままになっていると、防火管理者の選任、消防計画の作成・届出、消防訓練の実施状況、避難経路の管理状況、防火戸や避難施設の維持管理など、ほかの防火管理上の不備も見落とされやすくなります。

特に、テナントビルや複合用途の建物では、管理権原者が複数に分かれていることがあります。そのため、どの範囲を誰が管理するのか、どのテナントが点検対象になるのか、報告書をどのように作成・提出するのかが複雑になりがちです。

「毎年必要なことはわかっているが、いつ実施すればよいかわからない」「前回依頼した業者がわからない」「テナントごとの報告書作成が煩雑」「消防署とのやりとりに時間がかかる」

このような理由で、点検報告が後回しになってしまうケースも少なくありません。

しかし、防火対象物点検は、対象となる建物において年1回実施すべき法定義務です。未報告の状態を放置すると、消防署からの指導や罰則のリスクだけでなく、火災時に避難や初期対応が適切に行えないおそれもあります。

そのため、対象となる建物では、毎年の点検時期を把握し、計画的に点検・報告を行うことが重要です。

防火対象物点検・報告の手間を減らすサポート

当社では、防火対象物点検の手間を減らし、毎年の実施漏れを防ぐためのサポートを行っています。消防署とのやりとり、現地確認、テナントごとの防火対象物点検報告書の作成、報告手続きなど、煩雑になりやすい業務をまとめてご依頼いただけます。

翌年以降も当社から点検時期をご案内するため、毎年あらためて業者を探し直す手間がなく、点検・報告義務を継続的に履行しやすくなります。

また、当社が防火管理者を受託している物件では、本サービスの初回調査費用が無料となり、点検料金も15%割引となります。さらに、防災管理定期点検サービスとあわせてご依頼いただく場合には、セット割引の対象となります。

割引の適用条件については、建物の用途や契約内容により異なる場合があります。

防火対象物点検、防災管理定期点検、防火管理者外部委託などを個別に管理すると、実施時期や必要書類、消防署への届出状況が分散し、管理が煩雑になりがちです。

当社の関連サービスを組み合わせていただくことで、防火に関する点検・管理・報告を一体的に進めることができ、費用負担を抑えながら建物全体の防火管理体制を強化できます。

防火対象物点検は、建物を安全に利用するための重要な制度です。

火災は、いつ、どこで発生するかわかりません。だからこそ、日常の防火管理がきちんと行われているかを定期的に確認し、必要な改善を行うことが大切です。

特に、飲食店、物販店舗、病院、福祉施設、ホテル、複合テナントビルなど、利用する人が日々入れ替わる建物では、避難経路の確保や防火管理体制の整備が利用者の安全に直結します。

防火対象物点検は、単なる義務対応ではなく、建物を利用する人の命を守るための仕組みです。毎年の点検・報告を確実に行い、安心して利用できる建物環境を整えていきましょう。

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