(2022年3月15日更新)
2014年に防火管理者の外部委託を事業化して、はや8年。おかげさまで堅調に受注を増やしてますが、2014年当時も今も変わらないのは、このサービスのお問い合わせの8割が「賃貸不動産の管理会社」からのものです。
その殆どが「自社で建物管理している物件のオーナーから『防火管理者になってほしい』と依頼されていて困っている」というものです。
ここまでは良いのですが、この賃貸管理会社の多くが中小で、
『名義貸しで良いから建物の防火管理者になってほしい』
『防火管理者として何もしなくて良いから費用を安くしてほしい』
『他社では月5,000円のところがあったがもう少し安くできないか?』
という安直な相談です。
あのね、もうちょっと防火管理を勉強してから連絡してきてくださいよ。
防火管理者の名義貸しって、消防署への届出上においてクリアするだけで、実態がないってことですよね。
実態がない状態を続けて、万が一火災事故が発生した後で警察や消防から『建物オーナーさん、あなた、防火管理者を名義借りして、普段は何もしていなかったでしょう?』『防火管理者に何もやらせなかったから事故が拡大した可能性がありますね』『建物オーナーさんは事故拡大と無関係ではありませんね』と追求されると、最終的に刑事罰の対象になる可能性が高まります。
つまり、賃貸管理会社は、安直に『防火管理者の名義貸し』を建物オーナーに提案することで、建物オーナーをリスクに晒す手伝いをしていることになります。管理会社が勉強する範囲がとても広いには理解していますが、だからといって何も勉強せず一方的に『とにかく安くしてほしいから防火管理者は名義貸しで』っていうのはナシですよね。
建物オーナーのほとんどが防火管理の知識を持っていませんから、間に入る賃貸管理会社が建物オーナーを守るために少し勉強してほしいですね。
ということで、最近では同類のお問い合わせがあると
『当社のホームページやコラムを熟読してから再度お問い合わせください』とやんわりお断りしています。
また、最近では分譲マンションの管理会社の担当者にも、防火管理者のことを理解しないで外部委託の見積り依頼をしてくる方が一定数います。
中には『オタクをクライアント(マンション管理組合)へ紹介するのに会社として与信が必要だから、御社の決算資料3期分などを送ってほしい』と上から目線で注文してくる人もいます。相手に決算資料を要求するなら、まずお宅の会社の決算資料を出しなさいよと。
別にオタクの下請けなどやりたくないし、管理組合へ紹介するならこちらが直接管理組合へ会社説明するから紹介して下さいよ、と。
真剣に困っていて、防火管理の趣旨を理解しリスペクトのあるお客様を優先して相談に乗らせていただいています。