乙6から消防設備点検資格者へ 取得方法と講習費用を解説

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防火管理者のこづっきです。

前回のコラムでは、消防設備点検の仕組みや、有資格者による点検が必要となる建物の条件を解説しました。今回は、私が保有する消防設備士乙種第6類、いわゆる「乙6」を足掛かりに、消防設備点検資格者を取得する方法を整理します。

どの資格を選べばよいのか、講習には何日必要なのか、費用や試験はどうなっているのか。資格取得を検討する方に向けて、具体的な流れと注意点をご紹介します。

乙6の免状があれば第1種も第2種も受講できる

消防設備点検資格者は、所定の受講資格を満たした人が講習を受け、修了考査に合格し、免状の交付を受けることで取得できます。講習を申し込める人には、甲種または乙種の消防設備士などが含まれます。

乙6の免状があれば、第1種・第2種のいずれの講習も受講できます。この受講資格を利用する場合、別途、消防設備の工事や整備の実務経験を証明する必要はありません。乙6を取得してから何年も待つ必要もなく、免状の写しによって受講資格を証明します。ただし、消防設備士試験に合格しただけで免状の交付を受けていない場合は、先に免状取得の手続きを済ませましょう。

乙6で学んだ消火器や消防法令の知識を生かしながら、点検できる設備の範囲を広げられることは、私のように消防設備点検への理解を深めたい人にとって、具体的な次の一歩になります。

第1種と第2種では点検できる設備が異なる

消防設備点検資格者には、第1種・第2種・特種の3区分があります。数字の大小が資格の上下関係を示すわけではなく、担当できる設備の種類が異なります。

①第1種消防設備点検資格者

主に機械系統の消防用設備等を点検する資格です。消火器、屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、不活性ガス消火設備、連結送水管などが対象となります。

②第2種消防設備点検資格者

主に電気系統の消防用設備等を点検する資格です。自動火災報知設備、非常警報設備、誘導灯・誘導標識、漏電火災警報器などが対象となります。また、避難はしごや緩降機などの避難器具も、第2種で点検できる設備に含まれます。

③特種消防設備点検資格者

総務大臣の認定を受けた特殊消防用設備等を点検する資格です。第1種・第2種とは対象が異なり、特殊消防用設備等の点検を対象とする資格です。

このように、点検できる設備は資格区分ごとに定められています。設備の名称や見た目だけで判断せず、公式の対応表で確認することが大切です。

一般的なマンションやビルの点検を幅広く扱うことを考えるなら、まず第1種・第2種の両方を取得する方針が考えられます。特種は、実際に特殊消防用設備等を扱う必要が生じた段階で検討するとよいと考えます。

乙6を持つ人は何から取得すればよいか

乙6の保有者は、すでに消火器の整備・点検を行える資格を持っています。そのため、小規模な店舗やビルなどで、自動火災報知設備、誘導灯、避難器具へ点検範囲を広げたい場合は、第2種を先に取得する選び方が合理的です。

一方、消防設備点検資格者として屋内消火栓やスプリンクラー、連結送水管などを点検したい場合は、第1種が必要です。取引先の建物に設置されている設備を確認し、取得の順番を決めると、資格を業務に結び付けやすくなります。

当社のように、防火管理者の外部委託サービスと合わせて消防設備点検の分野を検討する場合も、既存のお客様の設備構成を調べることが出発点になります。両方の取得を目標としながら、最初に扱う建物に合わせて順番を選ぶのが現実的だと考えます。

さまざまな消防用設備について、経験のある点検員から説明を受ける様子。消防設備点検資格者は、第1種・第2種で点検できる設備が異なります。対象となる建物に設置された設備を確認し、取得する資格を選ぶことが大切です。

講習は各3日間で乙6による科目免除がある

第1種と第2種の講習は、それぞれ3日間です。標準の時間割では、講義16時間と修了考査2時間の合計18時間となります。両方を受講する場合は、原則として計6日間の日程を確保します。

乙6を含む消防設備士免状の交付を受けている人は、申請により、火災予防概論、消防法規、消防用設備等及び特殊消防用設備等の点検制度、建築基準法規の4科目について、各1時間、計4時間の受講免除を受けられます。

標準の時間割で計算すると、免除後は修了考査を含めて各14時間です。ただし、3日間のうち一部の時間が免除される仕組みなので、講習が2日間で済むわけではありません。

科目免除申請書は受講申請書と同時に提出します。申請が受理された後から免除を追加したり、免除を取り消したりすることはできません。また、免除された科目も修了考査では出題されるため、内容の復習は必要です。

取得費用は1区分約3万5千円が目安

2026年10月時点の公式案内では、科目免除なしの講習関係費用は、1区分につき34,410円です。乙6による4時間の科目免除を申請する場合は、32,310円となります。いずれも合否判定結果通知送料110円を含み、講習で使用するテキスト代も受講料に含まれています。

合格後には、免状交付手数料1,970円と免状送料460円、計2,430円が別途必要です。乙6による科目免除を利用した場合、取得する資格に応じた費用の目安は次のとおりです。

①第1種または第2種のどちらか一方を取得する場合

講習関係費用32,310円に、免状交付手数料と免状送料の計2,430円を加え、合計34,740円が目安となります。

②第1種と第2種の両方を取得する場合

各区分の費用を合算すると、講習関係費用は64,620円、免状交付手数料と免状送料は計4,860円となり、合計69,480円が目安となります。

このほか、写真代、申請書類の郵送料、払込手数料、会場までの交通費などがかかります。遠方で受講する場合は宿泊費も見込む必要があります。

料金が改定される場合もあるため、申し込みの際には最新の講習案内を確認してください。

講習の最終日には修了考査がある

消防設備点検資格者は、講習に出席するだけで取得できる資格ではありません。最終日に2時間の修了考査があり、合格が必要です。第1種・第2種とも、次の3分類から合計32問が出題されます。

  • 消防法令関係:8問
  • 技術基準関係:12問
  • 点検要領関係:12問

合格には、各分類で50%以上、かつ全体で70%以上の正解が必要です。問題数に置き換えると、法令関係は4問以上、技術基準関係と点検要領関係はそれぞれ6問以上正解し、さらに合計23問以上正解する必要があります。

修了考査ではテキストの持ち込みが認められます。ただし、試験中に初めて調べ始めると時間がかかるため、講習中に設備ごとの構造、点検方法、判定基準を整理し、必要な箇所を探せるようにしておくのがコツのようです。

乙6で学んだ内容に加えて、受講する区分の他の設備についても理解が必要です。消火器の知識だけで対応できると考えず、講習で扱う範囲全体を復習することが大切です。

不合格の場合は、考査を受けた日から1年以内に1回に限り再考査を受けられます。再考査手数料3,550円と結果通知送料110円、計3,660円が必要です。

申し込みから免状取得までの流れ

最初に、日本消防設備安全センターのホームページで、受講したい区分の開催地、日程、申請期間、申請書提出先を確認します。居住地に限らず、全国の会場から選ぶことができます。受付期間内でも定員に達すると締め切られるため、早めの準備が必要です。

乙6を受講資格とする場合、主に受講申請書、消防設備士免状の写し、所定の写真票等、写真2枚、返信用封筒を用意します。写真は6か月以内に撮影した縦4cm・横3cmのものです。科目免除を希望する場合は、免除申請書も添えます。

第1種と第2種を同時に申し込む場合も、申請書類は区分ごとに必要です。写真は各2枚、計4枚、返信用封筒も各1通、計2通を準備します。どちらか一方の講習を受けても、もう一方の資格が自動的に取得できるわけではありません。

受講資格の審査後、受講票などと受講料払込取扱票が届きます。案内に従って支払いを済ませ、講習に参加します。免除が認められた時間以外の講習はすべて受ける必要があり、遅刻・早退・欠席は認められません。

修了考査の結果は講習終了後おおむね30日後に通知されます。合格後に免状交付を申請します。指定された期限内に申請した場合、結果通知日からおおむね20日後に免状が交付されます。講習終了当日に取得が完了するわけではないため、業務で使用する予定がある場合は余裕を持って計画しましょう。

取得後は5年ごとの再講習が必要

消防設備点検資格者には、資格取得後も再講習が義務付けられています。正確には、免状交付日以後の最初の4月1日から5年以内ごとに受講する仕組みです。単純に交付日から5年と数えず、免状に記載された有効期限を確認しましょう。

会場での再講習はおおむね5時間で、現行の費用は免状交付手数料を含め、各区分10,520円です。第1種・第2種にはオンライン再講習もあり、免状送料を含む費用は各10,980円です。

両方の資格を持つ場合は、それぞれの再講習が必要です。期限内に受講せず、延長も認められていない場合は資格を失うため、会社で資格情報を管理する場合も、区分ごとの期限を記録しておく必要があります。

資格取得を実際の点検業務につなげるために

第1種・第2種を取得すると点検できる設備の範囲は広がりますが、消防設備士の資格が必要な工事や整備まで行えるようになるわけではありません。私の場合、乙6で認められる消火器の整備はできますが、他の設備の工事・整備については、対応する資格者との連携が必要です。

また、講習で制度や点検方法を学ぶことと、現場で安全かつ確実に作業できることは別です。業務として始めるなら、経験のある点検業者に同行するなどして、機器の扱い方、不良判定、点検後の復旧確認、報告書の作成を学ぶことが必要と考えられます。

私にとって、乙6は消火器の知識を得るための資格であると同時に、消防設備点検をさらに学ぶための入口でもあります。まずは対象となる設備を確認し、講習の日程と費用を把握したうえで、資格取得と実務習得を計画する。この流れが、将来のサービス拡充を具体的に検討する第一歩になると考えています。

《参考資料》

日本消防設備安全センター「第1種・第2種消防設備点検資格者講習」
https://www.fesc.or.jp/jukou/setsubi/kousyu/tebiki1.html

日本消防設備安全センター「消防防災関係資格者講習の受講料及び手数料」
https://www.fesc.or.jp/pdf/kaitei2604.pdf

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