モバイルバッテリー火災に注意!初期消火と対策

モバイルバッテリー火災の初期消火
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夏本番はモバイルバッテリー火災に注意|出火時の初期消火と安全な対応方法

スマートフォンやタブレットを外出先で充電するために、モバイルバッテリーを持ち歩く方は多いのではないでしょうか。通勤、通学、旅行、出張、災害時の備えなど、モバイルバッテリーは今や私たちの生活に欠かせない身近な電気製品の一つです。

しかし、便利な一方で、モバイルバッテリーには火災のリスクがあります。特に夏本番を迎える時期は、気温の上昇により、車内や直射日光の当たる場所が非常に高温になります。高温になる場所にモバイルバッテリーを放置すると、内部に異常が生じ、発火につながるおそれがあります。

総務省消防庁の資料「モバイルバッテリー火災の初期消火」では、近年、モバイルバッテリーを発火源とする火災の件数が増加していることが示されています。また、リチウムイオン電池等から出火した火災件数は、令和4年601件、令和5年739件、令和6年982件、令和7年1,297件と増加しており、令和7年の品目別ではモバイルバッテリーが482件と多くなっています。

出典:総務省消防庁「モバイルバッテリー火災の初期消火」
https://www.fdma.go.jp/relocation/html/life/yobou_contents/materials/#movie

モバイルバッテリーは小型で持ち運びしやすく、日常的に使う機会が多い製品です。そのため、火災の原因になるという意識を持ちにくいかもしれません。しかし、強い衝撃や高温環境、不適切な使用や保管によって、急に激しく燃え出す場合があります。

特に夏場は注意が必要です。駐車中の車内、車のダッシュボード、窓際、屋外イベント会場、キャンプ場、海水浴場、炎天下のバッグの中などは、想像以上に高温になることがあります。スマートフォンと一緒に何気なく置いたモバイルバッテリーが、熱の影響を受ける可能性があります。

モバイルバッテリー火災はなぜ起こるのか

モバイルバッテリーには、一般的にリチウムイオン電池が使われています。リチウムイオン電池は小型で大きな電力を蓄えることができるため、スマートフォン、ノートパソコン、携帯扇風機、ワイヤレスイヤホン、ポータブル電源など、多くの製品に使用されています。

一方で、リチウムイオン電池は、強い衝撃や熱、水濡れ、劣化、不適切な充電などによって内部に異常が生じると、発熱や発火につながることがあります。

たとえば、モバイルバッテリーを地面に落とした場合、外見上は問題がないように見えても、内部が損傷している可能性があります。そのまま使用を続けると、充電中や使用中に異常発熱し、発火するおそれがあります。

また、高温になる場所での使用や保管も危険です。夏場の車内は、短時間でも非常に高温になります。車内に置き忘れたモバイルバッテリーが熱を持ち、内部の電池に負荷がかかる可能性があります。特に、直射日光が当たる場所や、密閉された車内での放置は避けるべきです。

さらに、膨らみ、異臭、異常な発熱、充電できない、充電中に熱くなる、外装が割れているなどの異常がある場合は、使用を中止する必要があります。「まだ使えるから大丈夫」と判断して使い続けることは危険です。

古くなったモバイルバッテリーにも注意が必要です。長期間使用しているものは、電池が劣化している可能性があります。以前より熱くなりやすい、充電に時間がかかる、すぐに電池がなくなるなどの変化がある場合は、買い替えや適切な廃棄を検討しましょう。

出火したら、まず周囲に知らせる

モバイルバッテリーから出火した場合、最初に行うべきことは、周囲の人に火災であることを知らせることです。

モバイルバッテリーは、強い衝撃などにより、急に激しく燃え出す場合があります。出火直後は炎や煙が強く、近づくこと自体が危険な場合もあります。まずは「火事だ」と周囲に知らせ、自分だけで対応しようとしないことが大切です。

子どもがモバイルバッテリーの異常や出火に気づいた場合は、無理に消そうとせず、すぐに大人へ知らせる必要があります。家庭内でも、子どもがスマートフォンや携帯ゲーム機、モバイルバッテリーを使う機会は増えています。日頃から「バッテリーが熱い」「煙が出ている」「変なにおいがする」と感じたら、大人に知らせるよう伝えておくことも重要です。

事務所や店舗、宿泊施設などでも同じです。火災を発見した人が一人で抱え込まず、周囲へ知らせることで、通報、初期消火、避難誘導などの対応につなげやすくなります。

身の安全を確保してから119番通報する

火災が発生した場合は、身の安全を確保してから119番通報を行います。

モバイルバッテリーの火災は、見た目には小さな火に見えても、急に炎が強くなったり、煙が広がったりすることがあります。無理に近づいて消火しようとすると、やけどや煙の吸入につながるおそれがあります。

周囲に人がいる場合は、通報を依頼し、自分は消火の準備や避難誘導に回るなど、役割を分けることも有効です。店舗、事務所、宿泊施設、診療所、福祉施設など、不特定多数の人が利用する建物では、火災時の役割分担を日頃から確認しておくことが大切です。

火災時には、初期対応の遅れが被害拡大につながります。モバイルバッテリー火災であっても、「小さいから大丈夫」と軽く考えず、早めに通報することが重要です。

消火の前に安全を確認する

モバイルバッテリーは、出火してからしばらくすると炎が弱まることがあります。そのため、出火直後に無理に近づくのではなく、安全に近づける状態になってから消火することが重要です。

炎が強い、煙が多い、異音がする、周囲に燃えやすいものがある、逃げ道が確保できないといった状況では、無理に消火しようとしてはいけません。危ないと感じたら、すぐに避難する判断が必要です。

特に、炎が天井に達した場合は、一般的に消火器での消火は困難です。このような状況では、初期消火よりも避難を優先し、消防隊の到着を待つべきです。

初期消火は、あくまで自分の安全が確保され、火が小さい段階で行うものです。消火することにこだわりすぎると、かえって逃げ遅れにつながるおそれがあります。

近くに消火器がある場合は、消火器で消火します。

モバイルバッテリー火災の消火方法

近くに消火器がある場合は、消火器で消火します。住宅用消火器として販売されているものは、電気火災に対応しています。家庭だけでなく、事務所や店舗でも、消火器の設置場所を日頃から確認しておくことが大切です。

消火器がない場合は、バケツやペットボトルなどで大量の水等をかけます。少量の水では十分に冷却できない場合があるため、可能であれば十分な量の水等を使って消火・冷却することが重要です。

消火器や水等がすぐに使えない場合は、ボウルや鍋などで覆う対応もあります。ただし、これは応急的な対応であり、炎が見えなくなっても再出火の可能性があります。消防隊が到着するまでは触れないようにしましょう。

また、カーテン、紙類、布製品、家具など、付近のものに燃え移った場合は、消火器等で初期消火を行います。ただし、火が広がっている場合や危険を感じる場合は、すぐに避難してください。初期消火は、身の安全が確保できる範囲で行うことが大前提です。

消火後も再出火に注意する

モバイルバッテリー火災で特に注意すべきなのは、一度火が消えたように見えても、再び出火する危険があることです。

火が消えた後も、安心して素手で触ってはいけません。内部に熱が残っていたり、電池の異常が続いていたりする可能性があります。消火後、安全に対応できる場合は、火ばさみ等を使ってバケツ等に水没させます。

水没させた後は、すぐに取り出してはいけません。消防隊が到着するまで、そのままにしておくことが重要です。見た目には消えているように見えても、内部で再発火する可能性があるためです。

店舗や事務所などでは、消火後に「片付けよう」として従業員が不用意に触れてしまうことが考えられます。消火後も安全が確認されるまでは、触れない、移動させない、近づかないという対応を共有しておく必要があります。

夏本番に向けて確認したい保管と使用のポイント

夏場は、モバイルバッテリーの保管場所に特に注意が必要です。

駐車中の車内に置きっぱなしにしない。直射日光が当たる窓際に置かない。暖房機器や調理機器の近くに置かない。バッグの中で強い圧力や衝撃が加わらないようにする。これらは、日常的にできる基本的な対策です。

外出時に使用する場合も、炎天下の屋外で長時間使用したり、高温になった場所で充電したりすることは避けましょう。夏のイベント、旅行、キャンプ、海水浴などでは、スマートフォンの電池消耗が早くなり、モバイルバッテリーを使う機会も増えます。しかし、使う場所や保管場所を誤ると、火災リスクが高まります。

落下させたモバイルバッテリーや、膨らみ、変形、異臭、異常発熱があるものは使用しないことが大切です。異常がある製品を「念のため持っておく」「まだ充電できるから使う」と判断するのは危険です。

廃棄する場合は、自治体のルールや販売店の回収方法に従い、一般ごみに混ぜて捨てないようにしましょう。小型であっても、モバイルバッテリーは慎重な取り扱いが必要な製品です。

モバイルバッテリー火災も防火管理の一部である

モバイルバッテリー火災への備えは、家庭だけでなく、事務所や店舗、宿泊施設、診療所、福祉施設などでも重要です。

従業員や利用者がスマートフォンやモバイルバッテリーを持ち込むことは一般的です。休憩室、受付、客席、事務室、バックヤード、宿泊室などで充電が行われることもあります。そのため、管理者側も「個人の持ち物だから関係ない」と考えるのではなく、火災リスクの一つとして認識しておく必要があります。

建物内では、消火器の設置場所を確認し、従業員が使い方を理解しておくことが大切です。また、火災を発見した場合の通報、初期消火、避難誘導の役割をあらかじめ決めておくことで、いざという時の対応がしやすくなります。

特に、不特定多数の人が利用する建物では、火災時に利用者が状況を把握できず、避難が遅れるおそれがあります。モバイルバッテリーのような小型製品からの出火であっても、煙や炎が広がれば避難に支障が出る可能性があります。

日頃から、充電場所の周囲に燃えやすいものを置かない、通路や避難経路をふさがない、異常がある電気製品を使わない、消火器の場所を確認するなど、基本的な管理を続けることが重要です。

モバイルバッテリーは、スマートフォン社会に欠かせない便利な製品です。しかし、強い衝撃や高温環境、不適切な使用や保管により、火災の原因となることがあります。夏本番を迎える時期は、車内や屋外、直射日光の当たる場所が高温になりやすく、特に注意が必要です。

万が一出火した場合は、まず周囲に火災を知らせ、身の安全を確保してから119番通報を行います。消火は、安全に近づける状態になってから行い、危険を感じたらすぐに避難してください。一度火が消えた後も再出火の危険があるため、安全に対応できる場合は火ばさみ等を使って水没させ、消防隊が到着するまでそのままにしておく必要があります。

身近なモバイルバッテリーだからこそ、油断せず、普段から正しく使い、正しく保管する。その小さな意識が、火災を防ぎ、逃げ遅れを防ぎ、大切な命を守ることにつながります。

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