マンション管理組合で深刻化する「防火管理者不足」と解決法

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防火管理者の「こづっき」です。

近年、マンション管理組合において深刻化している問題の一つが、「防火管理者のなり手不足」です。消防法上、一定規模以上のマンションでは防火管理者の選任が義務付けられています。しかし実際には、「なってくれる人がいない」「頼める人がいない」と悩みを抱えている管理組合は少なくありません。

今回は、マンション管理組合で防火管理者不足が起こる背景と、単なる“選任”ではなく、“実際に機能する防火管理”の重要性について、実務目線で詳しく解説します。

マンション管理組合でも防火管理者不足が深刻化

店舗や事務所などが入っていない共同住宅(マンション)の場合でも、収容人員(居住者)が50名以上となると、防火管理者の選任が必要になります。そもそもマンションは、多くの方が居住できるよう設計されている建物であるため、実際には、ほとんどのマンションで防火管理者の選任が必要になると言っても過言ではないでしょう。

マンション管理士として実際に管理組合運営へ関わっていると、「防火管理者になってくれる人がいない」という悩みを抱えている分譲マンションは非常に多いと感じます。特に中小規模マンションでは、理事そのもののなり手不足も進んでおり、加えて、防火管理者まで引き受けてくれる居住者を探すことが難しくなっています。

さらに近年では、高齢化による役員負担の増加や、共働き世帯の増加、投資購入による区分所有者不在、居住者同士の関係の希薄化などもあり、「マンション全体のために時間を割く」という意識自体が以前より弱くなっているように感じます。

本来、分譲マンションでは「自分たちの財産を守る」という意識が重要ですが、実際には、多くの区分所有者が、自室以外の共用部や防火管理に対して強い関心を持っているとは言い難いのが現実です。

また、マンションによっては、理事会活動そのものが最低限の運営で精一杯というケースもあります。管理費滞納対応や設備修繕、騒音問題など、日々さまざまな課題を抱える中で、防火管理まで十分に手が回らない管理組合も少なくありません。

防火管理者資格は誰でもすぐ取れるわけではない

防火管理者不足が起こる理由の一つが、「資格取得の負担」です。防火管理者に選任されるためには、防火管理者資格を取得しなければなりません。

甲種防火管理者の場合、基本的に2日間連続の講習を受講する必要があります。時間も朝から夕方までかかるため、会社勤めの方にとっては、有給休暇を取得しなければ参加が難しいケースも多いでしょう。さらに、子育て世帯であれば、子どもを預けなければならないといった対応が必要となります。

特に最近では、定年退職後も継続して就労する方がほとんどのため、「マンション管理組合のために2日間を確保する」ということ自体が、想像以上に高いハードルになっています。

そのため管理組合では、既に資格を持っている人を探したり、比較的時間に余裕があるシニア世代へお願いしたりする形で、なんとか防火管理者を確保しようとします。

そのような中で、防火管理者のなり手不足対策として、多くの管理組合が行っているのが「防火管理者手当」の支給です。何か決まりがあるわけではありませんが、年間3万円程度の手当を支給しているケースが多いように感じます。講習費用、交通費、昼食代などを管理組合が負担し、さらに毎年の手当を支払うことで、「誰かやってくれる人はいませんか」と募集するわけです。

確かに、これは“選任する”という意味では一定の効果があります。

しかし、ここで重要なのは、「防火管理者を選任したこと」と、「防火管理が実際に機能していること」は全く別だという点です。

近年、マンション管理組合において深刻化している問題の一つが、「防火管理者のなり手不足」です。

防火管理者は「名前を届け出れば終わり」ではない

防火管理で本当に重要なのは、選任届を消防署へ提出することではありません。

東京消防庁のホームページにも防火管理者の責務が明記されていますが、共同住宅の防火管理者には、消防計画の作成・届出、消防訓練の実施、避難経路の確保や消防設備の維持管理、管理権原者への報告など、多くの責務があります。

これらの責務を果たすためには、実務として、建物共用部の隅から隅まで定期的な巡回点検を行う必要があります。

また、どれだけ日頃から防火管理に努めていたとしても、放火などのリスクを完全になくすことはできません。そのため、防火管理では「火災を防ぐこと」だけではなく、「万が一火災が起きた場合に被害を最小限に抑えること」も重要になります。

火災事故が発生した際に消防や警察から問われるのは、「どのような防火管理を行っていたのか」という点です。そのため、日常的に実施していた巡回点検や改善対応を、記録として残し続けることが非常に重要になります。

例えば、消火器の前に私物が置かれていて、使用に支障をきたすような状況があれば、移動をしたり、注意喚起の貼り紙を行ったりする必要があります。そして、その対応を「いつ」「どこで」「どのように行ったか」という形で、写真とともに記録として残しておくことが、実務上非常に重要になります。

つまり、防火管理とは“継続的な管理業務”なのです。

《参考》東京消防庁 ~ 「管理権原者」とは・「防火管理者」とは
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/office_adv/jissen/p03.html

「名義だけの防火管理者」では理事長の責任は消えない

管理組合によっては、「とにかく誰かを防火管理者として届け出れば安心」という感覚になっているケースもあります。しかし、これは非常に危険です。

当社にお申込みいただく管理組合は、防火管理への意識が比較的高いケースが多いため、著しく管理状態が悪い物件は多くありません。しかし、受託物件全体を見渡せば、共用廊下に自転車や私物が多く置かれている建物が存在していることも事実です。

当社が受託している場合には、このような避難障害に対し、警告文を掲示したり、所有者が判明している場合には直接移動や処分をお願いしたりします。しかし、もしこのような危険な状態を放置したまま火災が発生し、逃げ遅れによる被害が出てしまった場合、その責任は管理権原者である理事長へ向かう可能性があります。

一般的に、理事長になりたくて積極的に引き受ける方は多くありません。持ち回りの中で、責任感のある方がやむを得ず引き受けているケースをよく見かけます。だからこそ、住民のために理事長を引き受けた方が、防火管理不足によって重大な責任を負うような事態は、絶対に避けなければなりません。

一方で、そのようなリスクが十分に理解されないまま、「とりあえず防火管理者を届け出ておけばよい」という運用になっているケースがあることにも、不安を感じています。

管理会社へ依頼しても引き受けてもらえないケースが多い

ここでよくあるのが、「管理会社へ頼めばよいのでは?」という考えです。

しかし実際には、防火管理業務は通常の管理委託契約に含まれていないケースが多く、管理会社へ相談しても引き受けてもらえないことが少なくありません。特に最近では、防火管理に関する責任リスクや人員不足、継続対応の負担などから、防火管理者業務そのものを受託しない方針の管理会社も増えているように感じます。

また、仮に対応可能だったとしても、「消防訓練のみ」「書類作成のみ」など、一部業務のみの対応となるケースもあります。
しかし、本来の防火管理は、届出だけ、訓練だけで成り立つものではありません。巡回点検、記録、改善提案などを継続して回していくことが重要なのです。

こうした背景から、近年では、防火管理を専門会社へ外部委託する管理組合や、管理組合から相談を受けた管理会社からのお問い合わせも増えています。

当社では2014年に防火管理者外部委託サービスを開始しました。当初は、マンション管理士事務所として、困っている分譲マンションの一助になればという想定でしたが、実際には管理会社からのお申込みも多く、「管理会社だけでは対応しきれない需要がこれほどあるのか」と驚いたことを覚えています。

防火管理で本当に重要なのは「継続して機能すること」

防火管理で本当に重要なのは、「資格者がいること」ではありません。重要なのは、「継続して機能する防火管理体制があるか」です。

巡回点検、消防訓練、消防署対応、記録管理、改善提案などを継続して行い、万が一の事故時にも、「普段から適切な防火管理を行っていた」と説明できる状態を作ることが重要になります。

防火管理は、消防署へ届け出た瞬間に終わる業務ではなく、そこから継続して積み重ねていく“日常管理”です。

なり手不足や実務負担に悩んでいる管理組合がありましたら、一度専門会社へ相談してみるのも一つの方法ではないでしょうか。

また、実際に専門会社による防火管理を体感し、「自分たちでも運用できる」と判断すれば、その時点で自主管理へ切り替えるという考え方も十分に現実的だと思います。

当社の場合、仮に年払い契約であっても途中解約が可能であり、実務が伴わない期間分については返金対応を行っています。そのため、「まずは防火管理体制を立て直したい」という管理組合でも導入しやすい仕組みとしています。

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