震災・停電・火災から命を守るために:日頃の心構えと準備

緊急時の人間の行動特性を知る
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非常時に備える:震災後の停電と火災を想定した点検

当社の「防火管理者外部委託サービス」では、毎月一度、専門の点検スタッフがお客様の建物を訪問し、防火管理に特化した詳細な点検を実施しています。点検の際、例えばマンションの廊下に自転車が置かれているなど、火災時に問題となる可能性がある場合、警告文を貼るなどの対応を行っています。

当社の点検では、「震災後に停電が起き、火災が発生した」という視点で危険な状態かどうかを判断しています。廊下に自転車が置かれているケースでは、普段は通行スペースが確保されていても、地震などの非常時には自転車が倒れて通路を塞ぐ可能性があります。避難する住人の中には、身体が不自由な方や高齢者、小さなお子様が含まれるかもしれません。避難経路の確保は、そのような方々にとって命に直結する重要な問題です。

昨年、会社の研修で防災館を訪れ、停電で全く視界が利かない中、迫り来る火災の恐怖を疑似体験しました。その際は、「今から暗くします、壁に手を触れてください」というアナウンスの後、一気に暗闇に包まれましたが、実際の災害時にはこのような事前の警告はありません。一方で、地震調査研究推進本部(文部科学省)によると、今後30年以内にマグニチュード7程度の首都直下型地震が発生する確率は約70%とされています。日本は地震大国であり、常に地震や災害のリスクと隣り合わせの状況にあります。そのため、常に災害から身を守るための心構えと準備を進めておく必要があります。

非常時に冷静な行動を:人間の行動特性を理解する

非常時に冷静な行動を:人間の行動特性を理解する

突発的な環境の変化は、人間に不安や恐怖をもたらし、その場から逃げ出そうとする行動を引き起こします。以下の人間の行動特性を理解することで、「震災⇒停電⇒火災発生」といった非常事態においても、落ち着いて行動できる可能性が高まります。

  • 日常動線志向性:恐怖から逃れる際、人は知らない避難路よりも、日常的に使い慣れた通路を利用して避難しようとする傾向がある。
  • 帰巣性:初めて入った建物で内部の状況を知らない場合、入ってきた経路を逆にたどって戻ろうとする傾向がある。
  • 向光性:暗闇に不安を感じるため、突然煙で視界が遮られたり照明が消えた状況では、明るい方向へ向かおうとする傾向がある。
  • 危険回避性:煙や炎に迫られる状況では、目の前の危険だけに集中し、単純な行動をとる傾向がある。その結果、高所から飛び降りるなど、思わぬ衝動的な行動を起こす可能性がある。
  • 追従性:自分で避難方向を判断せず、先頭の避難者や大勢の人に追従して避難する傾向がある。
  • その他:煙や炎の刺激で判断力が低下し、身体が硬直したり混乱したりして、避難行動が遅れる傾向がある。混乱が大きくなると、狭い隅に逃げ込んだり、避難を避ける人も現れる。

参考文献:防火対象物点検資格者講習テキスト「火災時の心理と行動特性」

火災発生時に慌てず冷静に行動するためには、日常の心構えが重要です。まず、複数の避難経路を確認しましょう。これは「日常同行志向性」や「帰巣性」への対策であり、自宅や職場、よく利用する施設の避難路を複数確認し、実際に歩いて覚えることで、非常時に他の避難ルートも利用できるよう意識することが大切です。また、建物の構造や非常口の位置を把握するため、新しい場所を訪れた際には入口だけでなく非常口や避難階段の場所を確認する習慣をつけ、常に周囲の環境に注意を払いましょう。

次に、暗闇や煙の中での移動をシミュレーションしてみてください。これは「向光性」への対策となり、自宅で照明を消して避難経路を歩くなど、視界が悪い状況での行動を練習することで、パニックを防ぐことができます。さらに、高所からの安全な避難方法を学ぶことも重要です。「危険回避性」への対策として、非常用はしごなどの使い方を確認し、必要に応じて訓練を受けましょう。詳しくは「火災時の避難の切り札:ベランダに私物は置かないで!」というコラムをご参照ください。

また、自ら判断する力を養うために、防災知識を積極的に学び、非常時の正しい行動を理解することで、「追従性」を防ぎます。定期的に消防訓練に参加し、非常時の行動を身体で覚えることは非常に重要です。

さらに、家族や同僚と非常時の連絡方法を決めておくことも大切です。緊急時の連絡先や集合場所を事前に話し合い、協力して行動できるよう準備しましょう。非常持ち出し袋を準備し、懐中電灯や携帯ラジオ、非常食などをすぐに持ち出せる場所に置いておくことで、必要最低限のものだけで安全に避難する意識を持つことができます。

これらの心構えと行動を日常的に実践することで、火災発生時にも冷静に対応できる力が養われます。自分自身だけでなく、周囲の人々とも協力し、安全な避難ができる環境を一緒につくりましょう。

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