1,000物件の防火管理者になれたことに感謝
代表で防火管理者の深山(みやま)です。2014年に「防火管理者の外部委託サービス」事業の立ち上げから8年目である今年の7月に、お陰様で防火管理系の外部委託サービス(防火管理者・統括防火管理者・テナント防火管理者・防火管理技能者)の受注が1,000件となりました。
これまで多くのお客様・またお客様をご紹介してくださった不動産会社や管理会社等の皆様、そして声を大にしては言えませんが、防火管理者のなり手に困る建物オーナー様へ当社の存在をそれとなく伝えてくださった消防署員の皆様、本当にありがとうございます。
事業を立ち上げた当初、スタッフには「事業立ち上げから5年間で1,000件を目指そう」と伝えていました。目標日数は達成できませんでしたが、こうして当初に掲げた目標に到達したことを振り返ると、一番の感謝はスタッフに捧げたいと思います。
本当にありがとう。
2014年の当時に「1,000件の受注を目指して書いたコラム」がありました。スタッフが探してくれました。
コラム:防火管理者の外部委託、1000件受注を目指すには10件の時から
マンション管理組合の防火管理者しか頭になかった当初
今回のコラムは、恐らくホームページのリニューアル後に「代表のあいさつ」として掲載されると思いますが、先にここで話させてください。
もともと当社は国家資格であるマンション管理士や建築士の集団であり、2006年12月に分譲マンションの団体(マンション管理組合)の運営や建物修繕に関するコンサルタント業として創業しました。そして、このマンション管理組合に必要な防火管理者の『なり手不足』を改善するため、2014年に『防火管理者の外部委託サービス』として産声を上げたのが、防火管理系サービスのスタートでした。
当初、サービスの対象はあくまで『マンション管理組合』とし、当社から防火管理者の資格を持つスタッフをマンションの防火管理者へ選任するだけの、いわゆる『名義貸し』に近いレベルのサービスでした。
当時は消防法令に対する勉強が不足しており、正直なところ『防火管理』に対する意識も非常に浅かったことを覚えています。
防火管理者の悩みは賃貸マンションやビルにもあった!
しかし、2014年7月に防火管理に特化したホームページ(このホームページの一世代前のサイト)を開設したところ、実際にはお問い合わせの半分が、私が全く想定していなかった『賃貸マンションの大家やビルのオーナー、彼らを支える建物管理会社や不動産会社からのものでした。
また、ひとくちにビルと言っても『オフィスビル・雑居ビル・官公庁施設・物流倉庫・イベントホール・町内会の集会所』など、実に多種多様な建物からの相談が舞い込むようになります。
さらに、建物内における個々のテナントからの相談も多く、私が防火管理のサービスを作った当初からは見当もつかない、まさに想定外の連続で、立ち上げから混乱しました。
後から防火管理を学び直して今の品質に至った
実際にお問い合わせいただいたお客様から『防火管理者のなり手がいない』『なり手はいるが法令に基づいた防火管理ができない』『万が一火災事故が起こったらどのような責任が発生するのか不安だ』といった深刻な悩みを聞くにつれ、その場では『ぜひお任せください!』と回答するも、心の中では『これは中途半端な知識や理解・気持ちでは期待に応えられないし、中途半端に受注したら却って迷惑がかかる』と強烈な危機感を覚えたことを思い出します。
そこで、サービスをリリースした後で、防火管理に関して猛勉強し、サービス内容についてゼロから見直しを行いました。防火管理に関する書籍や資料・WEBサイトを片っ端から読み漁り、総務省消防庁や東京消防庁、その管轄内にある消防署等の消防行政を一件ずつ訪問して防火管理のあるべき姿について教えを請い、大学受験以来の猛勉強をしましたが、勉強すればするほど、思いつきのような発想で考えた当初のサービス思想がいかに稚拙であったかがわかりました。
こうしてサービスを全面見直しし、その後もスタッフと話し合いながらサービスのアップデートを何度も行い、ようやく今のサービスレベルの原型ができあがったのです。
不純な動機でも世の中の役に立つことができる
あれから8年がたちました。今では『法令遵守の徹底』を大前提に、とにかく建物の火災リスクを減らし、万が一火災が起こっても死傷者が最小化できるよう『日常の防火管理』や『消防訓練』『入居者への啓蒙活動』を徹底し続けることで、管理権原者(建物のオーナーやテナントの責任者)や建物利用者、不動産管理会社の三方良しを実現している自負があります。これらの積み重ねが、地域における火災件数や大規模な死傷事故の減少に貢献できていると信じています。
最近では京都アニメーション放火事件(2019年)や大阪・北新地の雑居ビル放火事件(2021年)など放火に起因する重大事件を見ては「僕ら防火管理者が日常から備える支援ができないか」と悶々とし、三幸製菓の工場火災事故(2022年)のニュースに触れては「普段からもっとこうすべきかもしれない」「スタッフやお客様にも改めて周知を」と考えまし「防火管理者がプロであっても火災をなくすことはできないが、減らすことや被害を最小化することはできるはず」と信じて、スタッフとともに研鑽しています。
これからもデジタライゼーションを推し進めつつ現地での凡事徹底を継続し、世の中の役に立ち続けます。