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消防訓練の実践ガイド:避難・通報・消火訓練のポイントを解説

消防訓練の実践ガイド
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消防訓練の基本ステップ:効果的な実施方法

自衛消防訓練は、「避難訓練」「通報訓練」「消火訓練」の3つの訓練を実施することが義務付けられています。それぞれの訓練をどのように実施すべきかについての具体的な決まりはありませんが、東京消防庁をはじめ、様々な消防署が消防訓練に関連するYouTube動画をアップしていますので、それらを参考にすることもおすすめです。これらの動画は、訓練の具体的な方法やポイントを視覚的に理解するのに非常に役立ちます。

《参考》東京消防庁公式チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCWRcJ3aBe2n6SI0Jlt66jKA

それぞれの訓練について、当社の様式ではありますが、ポイントをご説明します。

避難訓練のポイント

避難訓練は、あらかじめ定めた集合場所にエレベーターを使用せず、避難階段を利用して集合していただくことから始まります。高層建物であっても同様です。消防訓練の運営者は集合場所であらかじめ待機し、参加者の到着を確認しましょう。避難する際に重要なことは、煙から逃れるために姿勢を低く保ち、落ち着いて素早く行動することです。参加者には以下の内容をお伝えします。

煙の怖さ:火災において最も多い死因は、火炎ではなく煙によるものです。2001年に発生した「歌舞伎町ビル火災」では、ずさんな防火管理の結果、痛ましいことに44名の方が亡くなりましたが、全員の死因が火災時の煙による一酸化炭素中毒とされています。このことからも、煙の怖さを理解していただけると思います。また、熱せられた煙を吸い込むことで呼吸器官が損傷し、呼吸困難になることもあります。煙は視界を遮り、避難経路を見失わせるだけでなく、毒性の高いガスを含んでいるため、迅速かつ適切な避難行動が求められます。

煙のスピード:煙の水平方向へ広がるスピードは毎秒0.5m~1mで、大人の早歩きくらいのスピードです。一方で、縦方向へ煙が広がるスピードは毎秒3m~5mと、水平方向のスピードの3~4倍に達し、だいたい自転車くらいのスピードとなります。このように煙の広がるスピードは思いのほか速く、特に火災発生場所より上階にいる方は、落ち着いて素早く避難する必要があります。

避難の姿勢:煙は空気より軽いため、天井に溜まる性質があります。そのため、避難時には姿勢を低くすることが極めて重要です。また、ハンカチやタオルなどで口や鼻を覆い、煙を吸い込まないようにすることも有効とされています。このように、適切な行動をとることで、煙の影響を最小限に抑えながら安全に避難することができます。

エレベーターを使用しない理由:エレベーターは煙突のような構造になっており、火災時には煙がエレベーターシャフトを通じて充満する可能性があります。これにより、エレベーター内やシャフト内に煙が広がり、乗っている人が煙を吸い込んでしまう危険性が高まります。また、火災時には停電や電気系統の故障が発生することが多く、エレベーターが途中で停止してしまう可能性があります。エレベーターが停止すると、乗っている人が閉じ込められ、建物内に取り残されるリスクが高まります。

煙の怖さ:火災において最も多い死因は、火炎ではなく煙によるものです。

通報訓練のポイント

通報訓練は、火災発生場所や状況を119番に正確に伝えることを目的とした訓練です。実際に火災発生を知らせるために119番通報をしたことのある方はほとんどいないと思いますが、実際の火災を想定して119番通報を再現する模擬訓練を実施することで、火災発生時に落ち着いて情報を伝えられるようになり、結果として消防署の消火活動を早める手助けができます。通報訓練のポイントは以下の通りです。

通報の前にすること:火災を発見した場合、まずは周囲に知らせることが大切です。火災報知設備が備わっている場合は、すぐに発信機を押してください。備わっていない場合でも、「火事だー!」と大声で叫び、周囲の人に知らせることが重要です。こうすることで、周囲の人々が迅速に避難し、場合によっては協力体制を敷くことができ、初期消火の成功率を高めることもできます。また、消防機関への通報は必ず119番にかけてください。慌てて117(時報)や177(天気予報)にかけてしまうことは、単なる笑い話ではなく、切迫した状況下で本当に起こりうる話です

落ち着いて聞かれたことに答える:普段は冷静でも、実際に目の前で燃え盛る火災現場に居合わせた場合、必ずしも冷静でいられる保証は誰にもありません。消防通報のオペレーターはその道のプロですから、自分から情報を一方的に伝えようとせず、聞かれたことに答えるようにしましょう。その方が、正確にかつ迅速に情報が伝わります。

住所を正確に伝える:普段はスラスラと出る住所も、冷静さを欠いた状況では必ずしも答えられるとは限りません。勤務先住所の場合、そもそも覚えていない可能性もあります。そのため、電話口に住所を記載したメモを貼るなどの対応を推奨します。また、どうしても住所が答えられない場合は、「〇〇郵便局の隣にある5階建てのビルです」のように、ランドマークを使って説明できるようにしましょう。

模擬訓練の例(消防と通報者に分かれて読み上げてもらいます)

模擬訓練の例(消防と通報者に分かれて読み上げてもらいます)
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消火訓練のポイント

初期消火は、火災の拡大を抑え、被害を最小限にとどめるために行うものです。消火訓練では、消火器の使用方法を教えることが一般的ですが、実際の消火器を使って消火剤を撒き散らすわけにはいきません。そのため、水道水を入れた訓練用の消火器を使用することが一般的です。この訓練用の消火器は1万円強でWEB上で誰でも購入することができますが、消防署でも借りることが可能なため、必要に応じて問い合わせてみてください。消火訓練のポイントは以下の通りです。

消火活動の前に避難経路の確保をする:初期消火で火災を鎮火できる保証はなく、状況が悪化した場合には速やかに逃げる必要があります。そのため、消火器を使用する前に必ず避難経路を確保しておくことが重要です。例えば、自宅の台所で火災が発生し、消火を行う場合は、玄関を背にして消火器を使用するようにしましょう。これにより、火が大きくなった時にも素早く避難することができます。

周囲の協力を求める: ほとんどの建物に設置されている粉末消火器の放射時間は15秒程度と非常に短く、一つの消火器だけでは火災を完全に鎮火することが難しい場合があります。火災が発生した場合、迅速に対応するためには、建物内に複数設置されている消火器を有効に活用することが重要です。そのためには、周囲の人々に火災の発生を速やかに知らせ、協力を仰ぐことが必要となります。周囲の協力を得ることで、初期消火の成功率を大幅に高めることができます。

無理をせず逃げる:火災が発生した場合、生命を第一優先としなければなりません。そのため、初期消火で火災を鎮火できないと判断した場合は、無理をせず速やかに逃げるようにしましょう。特に、炎が天井に達している場合は非常に危険であり、直ちに逃げる必要があります。天井裏を炎が伝わると、逃げ道を塞いでしまう危険性が高まります。また、炎や煙の広がりを防ぐために、避難する際には必ずドアや窓を閉めてください。

消火器の使用方法

消火器の使い方は『ピノキオ』に聞け、と覚えるといざという時にも慌てずに済みます。

『ピ』ピンを抜く
『ノ』ノズルを火元に向ける
『キ』距離を取る
『オ』押す

消火器の使い方はピノキオに聞けの意味は?

以上が、消防訓練で実施すべき「避難訓練」「通報訓練」「消火訓練」の当社の様式です。消防訓練を実施するためには、事前に管轄の消防署へ所定の書類を届出る必要があり、また、概ね1か月前に「消防訓練のお知らせ」を掲示板に貼り出したり、各住戸に投函して、参加者を募る必要があります。実際には、すべての住人が消防訓練に参加するのは難しいため、防火管理の知識や意識を高めるための「消防訓練の手引き」を全住戸に投函することも重要です。この手引きには、消防訓練の目的や重要性、具体的な避難方法など、住人が知っておくべき情報を盛り込みます。

消防訓練の実施は、皆さまの安全を守るために欠かせないステップであり、防火管理者の重要な業務の一つですが、普段の仕事や家事で忙しい中、これだけの準備や手続きをこなすことは容易ではありません。そのため、当社では防火管理者が消防訓練以外の責務をすべて果たしていることを条件に、消防訓練をサポートするサービスを提供しています。このサービスでは、訓練の企画から実施、事後のフォローアップまでを包括的に支援しますので、ぜひともご検討ください。

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