メルすみごこち事務所の防火管理者「こづっき」こと狐塚です。
今回も前回の『リアルガチ体験記』に引き続き、当社が防火管理者を受託している、千葉県某所にある築45年、総戸数120戸の分譲マンション管理組合の消防訓練に参加した時の体験記です。
救命訓練を一言で言うと『意識不明者を蘇生させる訓練』
救命訓練に駆けつけてくださった消防署の方のお話から、救命訓練の目的は
- 倒れている方に意識がない場合、心肺蘇生にて蘇生させることを試みるための訓練
ということになります。
今回の救命訓練の参加者は25名。マンションの規模からすると、通常は5~10名程度の参加者のようで、今回は多くの方に参加していただきました。
あ、救命訓練の講習が始まりました。訓練は人形4体を使い、消防署の方の指導で行います。
え?私が最初に手本を見せろって?
私も体験しに来たのに汗
救命訓練:最初に周囲の助けを求め叫び、そして119番!
ここはリアルガチで、私がやってみることに。
あ、倒れている人を発見!!!
まず、周りに助けを求めます。
『あなたは119番通報して!あなたは私と一緒にこっちを手伝って!』
と参加者を指さして指示します。
でも、周りに人がいなかったら、まず私が119番し、消防署の方の指示に従って対応することに。
ピンチの時に冷静に対処できるかしら、、、
さらに、携帯電話がなくて119番通報ができない!スマホの電池が切れた!
こんなときは、私が倒れている人と向き合うしかない!
やばいよやばいよ!リアルガチで慌てそうです。
消隊員さんから『こづっきさん!大人が倒れている想定で、次の要領でやってみて下さい!』
心肺蘇生はガチでしんどい
- 『指差し呼称、周囲良し!』と周囲が安全か確認します。
- 「もしもし、大丈夫ですか!!!」と肩を叩きながら声を掛けます。最初は小さい声で、だんだんと肩を揺さぶりながら大きい声で。いきなり大きな声では、びっくりして心臓麻痺を起こす危険性があるそうです。
- これで反応がなければ「胸骨圧迫」です。相手の衣服はそのまま、左右の掌を組合せて、腕を伸ばし押します。
- 相手の胸の上に組合せた掌を置き、上から力一杯押します。5センチ位沈み込むくらい押して、次に戻します。これを1分間に100回のテンポで繰り返します。
- 胸骨圧迫を継続しますが、1分後には疲れて圧迫が浅くなり始めます。代わりの方がいる場合には交代してやって継続します。
人の胸を1分間に100回押し続けるのはかなりしんどいです。圧迫しているこちらが疲れて意識を失ってしまいそうです。
普段から胸骨圧迫の機会に備えて筋トレしていないと、いざという時に役に立たなそうです。シャツが汗びっしょりになりました。
なお、胸骨圧迫で肋骨が骨折することが稀ではないそうです。
消防署の方は『それでも構わず続けて欲しい』とのことでした。
もし『い、い、い、痛いたいたいたいたいっ』と言ってくれたら意識が戻ったので、成功なのです。
結構度胸がいりますが、それくらいでないと蘇生は難しいようです。
こづっきさん!次はAEDです!!!
心肺蘇生の次はAEDです!と隊員さんから指示が飛び、脇の下にアセびっしょりかきながらAEDを探します。
AEDは『自動体外式除細動器』の『A:Automated(自動化された)E:External(体外式の)D:Defibrillator(除細動器)』の略語です。
心肺蘇生で体力を使い果たした私がフラフラになりながら、なんとかAEDを使った救命訓練に進みます。
手順はこんな感じでした。
- 救助者が私一人の場合を想定して、AEDが近くにあることを確認し、取りに行きます。
- AEDの音声メッセージに従って、処置を実施します。(※)
- AEDのパッドを身体に貼る際、倒れている方の胸をはだけさせなければなりません。女性の場合はできるだけ人目にさらされないような配慮が必要です。
かなり端折った感じの手順ですが、(※)の『自動音声メッセージ』がAEDには備え付けられているのですね。
AEDのメーカーが違えど、この自動音声メッセージはほぼ標準でついているのだそうです。
そうですよね、こちらが慌ててる時に機械操作はとてもできなそうです。
機械の指示に従うのが一番確実、ということなのでしょうね。
これで意識が戻ってくれれば一安心。
なお、AEDが見つからない場合は、心肺蘇生を続けながら救急隊の到着を待ちます。
救命訓練:こづっきの気付き
- 救命訓練に必要なものは人道精神であることです。逃げてはいけないのです。『無関心』と『恥ずかしいと思う心』を乗り越えて、助けなければなりません。
- AEDは全国に50万台も設置されています。公共施設(役所、図書館、学校地域センター等)、病院、駅、飛行場、郵便局などに設置されているほか、最近ではマンションのエントランスに設置している管理組合も増えてきました。近くの施設のどこに設置してあるかを覚えておくといざという時に便利ですよね。
- 胸骨圧迫は本当にしんどいです。私やシニアの参加者の多くが、1分間に100回のポンプ運動でグッタリしていました。人を助けるために筋トレをやろうかな、と思う今日この頃です。
(二日後に両腕がよもやの筋肉痛になったこづっきより)