統括防火管理者の最初の仕事「テナントからの承諾」
新年あけましておめでとうございます、こづっきです。昨年は防火管理者の新規受託から業務開始までの立ち上げと、消防訓練の支援に奔走しました。私は主に首都圏が担当で効率よく回ることができますが、社員の中には静岡、名古屋、大阪、神戸、広島、福岡と地方回りに奔走する者もおり、出張の度に地方のお菓子を美味しく頂きました。
これもお客様からのお引き合いによるもので、感謝します。
さて、昨年末に統括防火管理者の仕事をお引き受けした千葉県西部の賃貸マンションでの話です。
マンションオーナーから正式にご契約いただき、いざ統括防火管理者の選任届を消防署へ提出しようと準備を進めるうちに、1階にコンビニエンスストア、2階に設計事務所がが入っており、当社が統括防火管理者へ選任されることの承諾(同意)が必要となりました。
そこで私からこの2者に対し、直接テナントを訪問し、勤務するスタッフに対して同意してほしい旨のお願いと同意書の書式、テナント責任者向けのご挨拶文を渡しましたが、1週間、2週間、、、なかなか承諾書が戻ってきません。
そこで、それぞれのテナントに対し、次の手を打ちました。
・コンビニエンスストア:フランチャイズ本部の総務部へ直接交渉
電話番号をインターネットで調べ、まず本部のフランチャイズ担当者に依頼し、全体の消防計画と承諾書用紙に返信用封筒をつけて送付。
→さすがに大手企業です、3日で承諾書を戻していただけました。
そもそもビルやマンションに同居するコンビニエンスストアは高い確率で防火管理者の選任が必要であり、大手コンビニ会社であれば数千~万単位で防火管理者を立てる必要があり、この手の業務はお手の物なのでしょうね。
・設計事務所:建物オーナーからの親書による依頼
そもそも、多くのテナントは消防法への理解が足りていない上に、新たな統括防火管理者である当社のことも全く知りませんので、こちらからの依頼にテキパキ動いてくれないことが多いです。そこで建物オーナー(つまりテナントから見えれば部屋の大家さん)の名前で手紙を作成し、オーナーからの依頼という体でお願いするのです。
大家さんからのお願いであれば、多くのテナントは丁寧に対応してくれます。更に時間はかかりましたが承諾書を返信してくれました。
これで消防署へ統括防火管理者選任届を提出するための資料が揃いました。
どうしてもテナントが統括防火管理者を承諾してくれない場合は?
確率は高くないですが、どうしてもテナントが統括防火管理者を承諾してくれない場合もあります。
特に外国人が経営する店舗や事務所では、法律に対する知識や意識がどうしても希薄になりがちです。
言葉も壁もあります。
そこで次の手です。
・消防署からテナントへ一報を入れていただく
つまり「言いつける」です。
やはり消防署の影響力は絶大です。特に外国の方からすると、消防からは警察のそれに近いプレッシャーを感じるのではないでしょうか。これでほぼ100%のテナントが協力してくれます。
「言いつける」のはあまり気持ちの良いものではありませんが、法令遵守のためには仕方がありません。
なお、消防署の方々はとても協力的な方が多いうえに、こちらが防火管理に対して真剣に向き合っていることが伝わることで、なおのこと力を貸してくれているように感じます。
なお、消防署の力を借りても、どうしてもテナントから承諾書がもらえない場合はどうするか。
この場合は最終手段に、、、企業秘密ですごめんなさい。
本年もよろしくお願い申し上げます。