今は賃貸マンションや貸しビルなどの運営コンサルティングを仕事にしているので、建物を見ればすべてが仕事の対象に見えるのですが、時々何ともいえない寂しい気分になる時があります。
それは、錆びた鉄骨階段に出会ったときです。
私が生まれた1974年(昭和49年)には、父が賃貸マンションを建て、大家業をはじめていました。120坪の土地に莫大な借金をして、ファミリータイプ12世帯、4階建の小規模なマンションを建設し、私は1階に大家の息子として育ちました。
物心ついた頃には、父が錆びた外階段や門扉の鉄部を自ら刷毛を握って塗装していたのを思い出すのです。
そして、私が小学生のころには、すでに鉄骨階段はボロボロに錆びていたるとこに穴が開いていました。
マンションの管理・運営・修繕すべてが手探りで、外部情報も満足に得られない中、コスト削減の考えも手伝って、父はすべてを手弁当で行っていました。
親の苦労を思い出し、感謝の気持ちを呼び起こすとともに、
素人の手弁当でメンテナンスを行うことの限界を考えされられます。
色々な事情があったにせよ、わずか25年で解体し寿命を終えることになったのですから。
建物は適切で計画的なメンテナンスを続けることで、100年以上もつ時代です。
ただし適切なアドバイザーの存在が不可欠です。
賃貸不動産、特に小規模で個人のオーナーのアドバイザーになりたい。
錆びた鉄骨階段に出会うと、そんな感情が沸き起こるのです。
《オーナー財産の長寿命化と 不動産価値の向上を!》