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消防署の査察(立入検査)の指摘を短期間で解消させた方法とは

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風俗店が入居する都内のビル​

当社が統括防火管理者に選任されている​東京の歓楽街にある5階建ての細長いビル。各階に風俗店が入居しています。
防火管理の状態は決して良いとはいえず、屋内に1つしかない非常階段には、人が通れる一定のスペースはあるものの多くの私物が置かれ、当社が月次で実施する点検の都度、警告文を貼って撤去を求めていました。

「警告文を貼る」という行為は相当のインパクトを与えます。当ビルも警告文が貼られてしばらくの間は改善がみられるのですが、そのうち元に戻るという、まさにイタチごっこの​状態でした。

特定1階段防火対象物(特1階段)とは​

このビルは44名の命を奪った「歌舞伎町ビル火災(※1)」の明星56ビルと同じく、「特定1階段等防火対象物」(通称:特1階段)と呼ばれる形状の建物です。

特1階段とは『地階または3階以上の部分に特定用途部分』(飲食店、物販店、クリニックに代表される不特定多数の人が出入りする店舗等)があり、かつ、1階に通じる『避難階段が屋内に1つしかない』防火対象物のことで、常日頃から防火管理を​しっかりしていないと、火災が発生したときに大勢の犠牲者が出てしまう可能性があります。

2021年12月に発生した「北新地ビル放火殺人事件(※2)」の現場ビルも特1階段であったことから、総務省の号令で、特1階段への消防署の査察(立入検査)が全国的に強化されています。​

(※1)歌舞伎町ビル火災
2001年9月1日 東京都新宿区歌舞伎町の雑居ビルで起きた火災。防火上の管理の劣悪さから44人が死亡​、3人が負傷。ビルオーナーやテナント関係者に執行猶予付きの有罪判決が下り、その後の消防法の改正につなが​った。

(※2)北新地ビル放火殺人事件
2021年12月17日 大阪府大阪市北区曽根崎新地(通称:北新地)の雑居ビルの4階で発生した放火事件。27人が死亡(被疑者を含む)、1人が負傷。火元の4階クリニックに通院していたと思われる男が、持参した2つの紙袋を蹴り倒してしゃがみ込み、ライターのようなもので点火。被疑者死亡により、殺人と殺人未遂、現住建造物等放火などの疑いで書類送検して捜査は終結。​

消防署の査察官からの連絡

消防署の査察官から統括防火管理者である当社へ連絡が入り、当ビルへ来るように依頼をされました。

査察官の指摘は非常階段の残置物の撤去。特に注意をされたのは、階段の踊り場に置かれた姿見と椅子で、テナントで働く女性が身支度を整えるために使用しているようで​​した。消防署員が​所有者と思われるテナントを訪問して残置物を撤去するよう指導したところ、自分たちの私物ではないと言われて困ったとのことです。

消防署員が貼った撤去を促す警告文も虚しく、非常階段には姿見と椅子の他にも私物が点々と放置されていました。

​消防署の査察官から課されたミッション

査察官からの説明は次の内容でした。

  • 北新地ビル放火殺人事件を受けて、総務省から全国の消防署へ特1階段の査察強化が指示された
  • 問題のある建物につき、各消防署から改善した旨の報告を総務省にしなくてはいけない
  • そのため、頑張りますというレベルで見逃すことはできず、必ず改善させなくてはいけない
  • 2週間以内に改善報告書の提出を要す(非常階段に置かれた私物の完全撤去に至らずとも具体的なアクションを記す)

物腰の柔らかい査察官でしたが、言っていることは​「消防署員が直接指導しても対処できなかった状況を、たった2週間で改善させて報告書を提出せよ」という厳しい内容です。

建物オーナーとのタッグ

最初にとった行動は建物オーナーとの話し合いです。当社が毎月提出している点検報告書で実態を把握しているので、話はスムーズに​進みました。
消防署査察官から​、人が通れるスペースが確保されていても​非常階段の私物は完全に撤去しないとダメだと言われたことを説明し、消防署員によるテナントへの直接指導の効果もなかったことから、強制的に行動せざるを得ない旨の理解をいただきました。

建物オーナーと決めたアクションプランは次のとおりです。

  • 残置物を2週間以内に撤去しない場合、​当社で強制的に撤去する旨の警告文を貼る
  • 警告文は当社が作成して残置物に貼る
  • ​撤去費用は​所有者と思われるテナントに按分して請求する
  • 期限を過ぎてなお残置物がある場合、当社で分別をしてゴミ捨て場へ移動し、粗大ごみはオーナー負担で処分する

​早速、上記プランを査察官へ説明。改善報告書の提出をし、消防署に受理されました。

さて結果は

撤去期限を迎えた翌日_。
​​​非常階段にあった一切の残置物がきれいに無くなっていました。
細かいゴミは建物オーナーが処分してくれたようです。​
現地確認をした査察官から、短期間での改善に対してお褒めの言葉をいただきました。

ずさんな防火管理で万一の事態が生じた場合、最も重い責任に問われるのは、防火管理者ではなく建物オーナーである管理権原者です。

「防火管理者を任せているのだから、お宅で全部考えて何とかしてくれ」と仰る管理権原者が稀にいらっしゃいます。
もちろん何とかするのが私たちの仕事ですが、状況によっては強制的な手段を選ばざるを得ないケースがあり、管理権原者に協力姿勢がないと問題解決は難しいです。人命を守るため、共に考え、共に行動いただけると心強い限りです。

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