こんにちは、賃貸マンション・貸しビルコンサルタントの深山(みやま)です。
川崎市川崎区で5月17日に発生した、簡易宿泊所『吉田屋』の火災事故。
今時点で9名の方がお亡くなりになられたそうです。
ご冥福をお祈りいたします。
建築基準法では、原則として木造3階建てで宿泊所は建築できないのですが、この簡易宿泊所は実質3階建ての違法建築でした。
館内は2階と3階が吹き抜け構造で、一度火が発生すると炎と煙が一気に広がりやすい建物になってしまったようです。亡くなられた方のほとんどが違法建築部分である2階と3階で倒れています。
今回の火災事故があってから、消防署による簡易宿泊所の一斉査察が入り、消防・防火・避難設備のチェックや日常の防火管理状況についての指導が建物管理者や防火管理者へ徹底されています。
また違法建築部分である3階に宿泊をさせないように指導を強化し始めました。
東京消防庁調べでは、火災事故原因の4位が「放火」です。今回の火災事故も放火の疑いがあります。放火は人災です。
しかし、放火は建物管理者(オーナー)や防火管理者が完全に防ぐことはできません。24時間不眠不休で見回ることはできませんよね。
今回の簡易宿泊所のような違法建築をしないことはもちろんですが、我々防火管理者業務の委託を受ける者としては、日常時に少しでも放火されるような物品を共用部へ残置させない・消防や避難訓練を定期実施し入居者へ啓蒙を継続する、といった防火管理の観点でできる活動を継続することで、人災リスクを減らせるように地道な活動を続けてまいります。
《オーナー財産の長寿命化と 不動産価値の向上を!》