こんにちは、賃貸マンション・貸しビル運営コンサルタントの深山(みやま)です。
当社が賃貸マンション・貸しビル業界へ足を踏み入れた当初、一番びっくりしたのは、
◆分譲マンションの管理・修繕業界では当たり前になりつつある『長期修繕計画』や『修繕積立金』の概念が、賃貸業界にほとんど存在しない!
ということでした。
建物は、新築でオープンした瞬間から劣化がスタートします。これは人間が産まれた瞬間から年を取っていくの同じですね。
人間は、青年期まで成長し、その後劣化(老化)して、いずれ寿命を迎えますが、適切な運動と食事と睡眠に気を遣い、薬を飲んだり病院に通うことで寿命を延ばすことができます。
建物も、新築した瞬間から劣化が始まり、いずれ朽ち果てますが、建物や設備を適切にメンテナンスやリニューアルすることで、寿命を延ばすことができます。
この、建物の長寿命化を支えるのが、『長期修繕計画』(人間で言えば、健康ライフプランとでもいいましょうか)と『修繕積立金』(将来のための貯蓄)と言う概念です。
この概念が、賃貸オーナーには希薄ですし、プロである賃貸管理会社にあまりありません。
分譲マンションの業界では当たり前の概念が、賃貸業界にはないのです。
賃貸業界では、建物は築20~30年で解体するのが当たり前なのでしょうか?
短命が当たり前だから、長期で修繕する必要がないのでしょうか?
信じられません。
いまだに信じられません。
しかしながら、いま振り返ると、私の親父が昭和40年代に建築した賃貸マンションにも、この『長期修繕計画』や『修繕積立金』の概念が全くありませんでした。
そして、新築からたったの25年で解体の憂き目にあったことと、『長期修繕計画』や『修繕積立金』の概念がなかったとは、決して無縁ではありません。
むしろ、賃貸マンションや貸しビル運営における『長期計画のなさ=無計画さ』が、建物の長寿命化を妨げ、長期的に見た収益率の低下を招く最大の理由になっています。
(続く)