防火管理者に選任されたその日から始まる本当の責任とは

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防火管理者に選任された“その日”から、本当に求められていること― 名義だけでは済まされない理由

防火管理上の最高責任者である管理権原者(建物やテナントのオーナーなど)が、自らあるいは従業員などから防火管理者を選任したとき、多くの人は一定の安心感を覚えます。講習を受け、必要な書類を整え、消防署への届出も済ませた。これで最低限の役割は果たした――そう感じるのも無理はありません。

防火管理者制度は、消防法に基づく明確なルールとして定められており、必要な手続きを適切に行うこと自体は、防火管理の重要な第一歩といえます。実際、防火管理者の選任や管理権原者の責務については、東京消防庁の公式ホームページにおいても制度の概要が整理されています。

《出典》東京消防庁「管理権原者とは・防火管理者とは」
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/office_adv/jissen/p03.html

しかし、防火管理者という立場は、「選任された時点」で終わるものではありません。むしろ、そこからが本当のスタートです。防火管理者は、火災が起きたときだけ登場する役職ではなく、火災を起こさない状態を日常的に維持する責任者だからです。

本記事では、防火管理者に選任されたその日から、実際に何が求められているのか、そしてなぜ「名義だけ」では済まされないのかを、実務の観点から整理していきます。

防火管理者は「非常時の人」ではなく「平常時の責任者」

防火管理者という言葉から、多くの人が連想するのは、火災発生時に避難誘導を行う姿や、初期消火を主体的に実施する姿かもしれません。確かに、火災現場に防火管理者が居合わせていれば、防火管理のプロとして期待される役割の一部といえるでしょう。

しかし、消防法が本当に重視しているのは、火災が起きる前の状態です。

日常の防火管理が適切に行われていれば、火災の発生そのものを防げる可能性が高まりますし、万一火災が発生した場合であっても、被害が拡大するリスクを大きく低減できます。防火管理者とは、まさにその「平常時」、すなわち何も起きていない時間に責任を持つ存在なのです。

例えば、避難経路である廊下や階段が私物によって塞がれていないか、防火戸が正しく機能する状態に保たれているか、あるいは避難はしごの降下スペースに物が置かれ、使用できない状態になっていないか。こうした日常点検と、改善に向けた行動の積み重ねこそが、防火管理の実態を形づくります。

一方で、現実の現場では、防火管理者として選任されていても、建物の状況を十分に把握できていないケースが少なくありません。多忙な業務の合間に選任され、実際に現地を見る機会がほとんどないまま、役職だけが残っている。こうした状態は、決して珍しいものではないのが実情です。

しかし、消防署が立入検査などで確認するのは、資格の有無ではなく、防火管理が実際に機能しているかどうかです。防火管理の実態が消防計画や建物の使用実態と乖離していれば、それは「適切に管理されていない」と判断されかねません。

名義だけが置かれ、実態を伴わない防火管理は、結果として建物全体のリスクを高めてしまいます。防火管理者がいるはずなのに、防火管理が行われていない――この矛盾こそが、いま多くの現場で問題となっているのです。

日常点検と、改善に向けた行動の積み重ねこそが、防火管理の実態を形づくります。

防火管理者は、何を把握していなければならないのか

では、防火管理者として選任された場合、具体的に何を把握していなければならないのでしょうか。

すべての設備や細かな規定を完璧に理解している必要がある、というわけではありません。しかし少なくとも、「自分が管理責任を負っている建物が、いまどのような状態にあるのか」を説明できる状態であることは求められます。

例えば、その建物の避難経路が日常的にどのように使われているのか。共用部に物が置かれやすい場所はどこか。テナントや利用者の使い方に、防火管理上の懸念点はないか。こうした点を把握せず、「計画上は問題ない」「書類は整っている」という理由だけで安心してしまうのは危険です。

こうした点を把握するためには、防火管理者自身が、実際に現場へ足を運び、建物の使われ方や管理状況を自分の目で確認する必要があります。

そして、それは一度きりで終わるものではありません。建物の状況や利用形態は時間とともに変化するため、防火管理に特化した点検を定期的に行い続けることが重要になります。日常の中で避難経路が塞がれていないか、防火設備が本来の機能を維持できているかといった点を、継続的に確認していくことが、防火管理の実効性を高めます。

さらに、こうした点検の内容を記録として残しておくことも欠かせません。点検結果や是正対応の履歴を整理しておくことで、防火管理が日常的に行われていたことを客観的に示すことができます。これは、消防署の立入検査への対応だけでなく、万一火災が発生した際に、防火管理者として適切な管理を行っていたことを裏付ける重要な証跡にもなります。

防火管理者に求められているのは、「問題が起きてから対応する姿勢」ではなく、問題が起きないように管理を継続し、その事実を説明できる状態を保つことなのです。

外部に任せても、責任がなくなるわけではない

ここまで見てきたとおり、防火管理者には、平常時から多くの役割が求められます。
しかし現実には、本業や日常生活に多くの時間を割かれる中で、現場の点検業務や、法令で定められた回数(年1~2回以上)の消防訓練を、継続的かつ確実に実施し続けることは、決して容易なことではありません。

そのため、防火管理者業務を外部に委託するという選択肢を検討すること自体は、極めて合理的な判断といえます。限られた時間や人員の中で人命や財産を守り、防火管理を形骸化させないためには、専門的な知見や体制を適切に活用することが有効な場面も多くあります。

当社では、防火管理者に必要とされる日常的な点検業務や管理支援、消防訓練のサポートなどを含め、防火管理に関わる業務をワンパッケージ化したサービスを提供しています。防火管理者が一人で抱え込みがちな業務を補完し、防火管理が継続的に機能する体制づくりを支援することを目的としています。

一方で、外部に委託すればすべてが完結するわけではありません。実際に点検業務を継続していく中では、消火器の不備や設備の更新など、管理権原者(建物所有者等)の判断や対応を必要とする事項が発生するケースも少なくありません。こうした点は、外部事業者が代替できるものではなく、管理権原者が主体的に関与することが不可欠です。

外部委託は、防火管理者の責任を軽くするものではなく、責任を果たすための手段の一つにすぎません。
重要なのは、誰が何を担い、どこまでを外部に任せ、最終的にどのような体制で防火管理を維持していくのかを明確にすることです。

防火管理者という役割は、名義だけで完結するものではありません。
日常の管理が確実に行われ、その実態を説明できる状態を保つこと。
その積み重ねこそが、建物と利用者の安全を守る、防火管理の本質といえるでしょう。

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