消防訓練中によく聞かれる質問まとめ
防火管理者のこづっきです。
消防訓練に参加すると、普段はあまり意識していない防火管理について改めて考える良い機会になります。これまで私が行ってきた消防訓練の中で、参加者の方々からいただいた質問をいくつかご紹介します。これらの質問を通じて、防火管理への理解を深めていただければ幸いです。
火災報知器が鳴ったが、火災の確認が取れなかった場合はどうすれば良いですか?
■回答
火災報知器が鳴ったら、まず安全を最優先に考え、火災の有無が不明確でも避難を開始してください。火災が確認できない場合でも、万が一の事態を想定し、安全な避難経路で速やかに避難しましょう。安全が確保されたら119番やビル管理者に連絡してください。
火災時に取り残された場合の対処方法は?
■回答
火災時に取り残されてしまった場合、まず煙や火から遠ざかることが最優先です。以下の手順を参考にしてください。
- 閉じられるドアを閉める:火と煙の拡散を防ぐため、可能な限りドアを閉めてください。ドアの隙間を濡れたタオル、布、テープなどでふさぐと煙の流入を防止できます。
- 安全な場所を確保する:火災の進行方向とは逆に移動し、できるだけ低い姿勢で行動してください(上に溜まった有害な煙を吸わないため)。
- 外部に助けを求める:窓やバルコニーがあれば、外に向かって助けを求めます。大声や手振りで自分の位置を知らせ、毛布などで視覚的に目立たせることも有効です。
- 携帯電話を使って連絡:携帯電話が使えるのであれば、消防署に自分の状況や場所を正確に伝えましょう。
※バルコニーに避難隔壁板があれば蹴破って隣戸のバルコニーへ避難したり、避難器具があれば安全に活用しすることも効果的です。
避難誘導する際に優先すべき行動は何ですか?
■回答
避難誘導時には次の行動を優先してください。
- 冷静に行動:パニックを防ぐために冷静さを保つことが重要です。落ち着いた声で指示を出し、集団の混乱を防ぎます。
- 避難経路の確認:安全な避難経路を利用し、皆がスムーズに移動できるように誘導します。特に非常口がどこにあるかを明確に指示します。
- 要配慮者を優先:子供、高齢者、妊婦、障害者など、避難に時間がかかる人を優先的に助けます。自分のペースではなく、全員が無事に避難できるよう配慮しましょう。
- 大きな声で指示を出す:迷っている人や、経路に気づいていない人には、大きな声で避難方向を指示し、安全な場所へ導きます。
火災時にエレベーターを使用しても良い状況はありますか?
■回答
基本的に火災時にエレベーターは使用してはいけません。
■理由
- 火災時にエレベーターの電源が切れる可能性があり、閉じ込められるリスクが高いです。
- 煙や熱がエレベーターシャフトを通じて移動し、エレベーター内に煙が入り込む可能性があります。
※大規模ビル等で自衛消防隊から指示があり使用する非常用エレベーターはこの限りではありません
避難経路が塞がれていた場合、どうすれば良いですか?
■回答
避難経路が塞がれている場合は、次の手順を取ってください。
- 他の避難経路を探す:ビルや施設内には複数の避難経路が設けられている場合があります。まず、次に安全なルートを探して移動します。
- 閉じた部屋に避難する:すべての避難経路が封鎖されている場合は、火元から離れた部屋に避難し、ドアを閉めて煙や火の侵入を防ぎます。隙間を濡れた布やテープなどでふさぎ、窓を開けて外部に合図を送りましょう。
- 助けを求める:携帯電話が使える場合、消防署に状況を連絡し、具体的な位置を知らせて助けを求めます。
※バルコニーに避難隔壁板があれば蹴破って隣戸のバルコニーへ避難したり、避難器具があれば安全に活用しすることも効果的です。
消防署への連絡はどのタイミングで行うべきですか?
■回答
火災報知器が鳴ったり、火災の兆候が見えた瞬間に、消防署への通報を行ってください。火が見えたり、煙を感じたりした場合は、すぐに「119」に通報し、次の情報を正確に伝えます。
- 場所:火災が発生している正確な場所(ビル名、階数、住所など)。
- 火災の状況:火の規模や煙の状況、怪我人の有無など。
- 連絡先:自分の名前や電話番号を伝えて、今後の連絡が取りやすいようにします。
※早めの通報が、迅速な消火活動や救助活動につながります。疑わしい場合でも、火災の可能性があるならすぐに連絡をしてください。