消火器の「置き方」を考えてみる
私は消防設備を扱うので、必然的に消防設備マニアになります。消防設備ゆえに、仕事で数多くの建物に設置されている消火器の法定検査をやっています。
半年に1回、建物に設置されている消火器を検査し、外観・内部を確認して、ホコリを払って元の場所に戻します。
さて、その消火器を元の場所へ戻すとき、ふと考えます。
どのように置くと良いか?
よっしーは2通りの置き方を、時と場合とを想定して使い分けています。
①消火器は見栄えのいいように、正面を向けて置くのが良い。
②いやいや、消火器は火災時すぐ使えるように、レバーを手前にして置くのが良い。
①消火器は見栄えのいいように正面を向けて置く
・消火器を正面を向けると、レバーやホースの形がはっきりわかります。
・消火器をイラスト化したときの、いかにも消火器らしいシルエットになります。
・消火器のラベルに書かれた使用手順や用途が目につきやすい。
・黄色のリングや圧力計も見やすくなるため、検査をする側からしても都合が良いです。
②消火器をすぐ使えるように、レバーを手前にして置く
消火器はなんのために設置するのか?
もちろん消火のためです。
使うことを考えると、最初に手に取るレバーが手前にあった方が良いのではないか?
もし消火器が、収納用の細長い箱に入れてある場合や、狭いスキマに置かれている場合などは特にそうです。
検査する側からしても、取り出しやすい方が都合が良いです。
消火器の置き方は、どちらにも良し悪しが
消火器を目につくところへ設置する場合は、普段の見栄えも考慮したいし、正面を向いていないというのは、やはり気持ち悪いものです。
使用する確率が極めて低い消火器に、100%実用的な置き方を主張するのもヤボな気がします。
かといって、取り出しにくいところに設置されている消火器にまでカッコよさを求めるのはナンセンスです。イザというときに使えなければ話になりません。
結局のところ、消火器の置き方は自分次第です。状況に応じて使い分けるのがベストですね。
自分のとこの消火器が「ナナメってる」と思えば、ちょいといい格好に置きなおせば良いですし、「これじゃ取り出しにくいじゃないか」と思えば、取り出しやすいように置き直してください。
「消防士でなければ手にとってはいけない」「設備士でなければ触れてはならない」なんてことはまるでありません。むしろ自分で管理すべきです。
ただ「神は細部に宿る」「God is in the details」小さなことにもこだわることの積み重ねが、良い防火に繋がることだけは間違いない、と信じています。
以上、「消防設備コレクター」のよっしーでした!
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