モバイルバッテリー火災を防ぐ4つの実践ポイント

モバイルバッテリー事故を防ぐために
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【注意喚起】モバイルバッテリーの発火事故が急増中|山手線でも発生した実例とは?

近年、スマートフォンやタブレットの普及に伴い、外出先でも手軽に充電できる「モバイルバッテリー」が広く使われるようになりました。しかしその便利さの裏では、発火や爆発などの重大事故が全国各地で発生しています。

2025年7月20日午後4時すぎ、JR山手線(新宿〜新大久保間)車内で、乗客のバッグに入れていたモバイルバッテリーが発煙・発火し、5名が軽傷を負う事故が発生しました。乗客によれば「スマートフォン充電中にバッテリーが過熱し、約30秒後に発火した」と報告されています。この事故の原因製品はリコール対象の製品と確認されており、同モデルは2023年6月にリコールが発表された製品で、2021年度以降に少なくとも16件の火災事故が報告されています。

その後の7月24日には、水戸駅の構内でモバイルバッテリーが白煙を発した事案が報告されています。こちらは負傷者こそありませんでしたが、駅業務や常磐線の一部運行に支障が出たと報じられています。

これらの事例からも分かるように、モバイルバッテリーは誰もが日常的に使う一方で、身近に潜むリスクを正しく認識することが極めて重要です。

モバイルバッテリーが発火する3つの理由|高温・粗悪品・使い方に注意

モバイルバッテリーは身近なアイテムでありながら、誤った使用や保管によって思わぬ事故を引き起こすことがあります。ここでは、発火につながる主な原因を3つに分けて解説します。

1.高温環境による熱暴走

モバイルバッテリーに使用されている「リチウムイオン電池」は、高温に非常に弱いという性質を持っています。2025年の夏は全国的に猛暑日が続き、都心部では気温が35℃を超える日が続出。車内やバッグの中では、50〜70℃以上に達することもありました。

こうした高温環境では、バッテリー内部で過剰な化学反応が起こり、制御不能な状態=「熱暴走」が発生します。この状態になると、バッテリー内部に圧力がかかり、最悪の場合には発火・爆発に至ることもあります。

2.安全基準を満たしていない製品やリコール品の使用

前述の山手線内で発生したバッテリー事故では、リコール対象製品であるにもかかわらず、複数の火災事故が報告されていたにも関わらず、その情報が十分に周知されず、多くの人が使用を続けていたことが指摘されています。

また、PSEマークのない格安のノーブランド製品や、100円ショップなどで販売されている一部の海外製品にも注意が必要です。これらの製品の多くは、過電圧保護・温度センサー・短絡防止といった基本的な安全機能が不十分な場合があり、発火や発煙などのリスクが高まります。

3.使用方法の誤り

以下のような使用方法も、発火のリスクを高めます。

  • 長時間の充電(過充電)
  • 充電しながらスマホを使用する
  • 落下や衝撃による内部損傷
  • ケーブル端子の汚れや劣化によるショート
  • 通気性の悪い場所での充電(布団やクッションの中など)

どれも特別なことではなく、誰もが無意識にやってしまいがちなことばかりです。だからこそ、モバイルバッテリーを安全に使うためには、こうした原因を知り、日常的に意識することが何より大切です。

モバイルバッテリーが発火する3つの理由|高温・粗悪品・使い方に注意

モバイルバッテリーを安全に使う4つのポイント|今日からできる発火対策

モバイルバッテリーの発火事故は、製品の不具合だけでなく、私たちの「選び方」や「使い方」によっても大きく左右されます。そこで、日常生活の中で実践できる具体的な予防策を4つにまとめました。少しの注意が、大きな事故を未然に防ぐことにつながります。

1.PSEマーク付きの製品を選ぶ

日本で販売されているモバイルバッテリーには、電気用品安全法に基づいた「PSEマーク」の表示が義務付けられています。このマークがあることで、最低限の安全基準を満たしていることが保証されます。そのため、信頼できる国内メーカーや、正規販売店で購入することも、事故の予防につながります。価格だけで選ばず、安全性を重視した選択が大切です。

2.高温になる場所に放置しない
  • 車内に放置しない
  • 直射日光の当たる場所に置かない
  • バッグの外ポケットや密閉空間を避ける

夏場の屋外移動時は、バッグの内ポケットや通気性のよい収納スペースを使うなど、熱がこもらない工夫が必要です。特に真夏の車内は高温になりやすく、数分の放置でも発火のリスクが高まります。

3.使用中の異常を見逃さない
  • 熱を持ちすぎている
  • 膨張や変形が見られる
  • 焦げたような臭いがする
  • 充電や使用中に異常な反応がある

こうしたサインが出た場合には、即座に使用を中止し、安全な場所で保管・廃棄または交換を検討してください。異常を感じたら「使わない」ことが最も安全です。

4.充電のタイミングと環境を見直す
  • 就寝中や無人の場所での充電は避ける
  • 布団・カーテンなど可燃物の近くでは充電しない
  • 充電中はなるべく目の届く場所に置く

「寝る前に充電して朝100%」という使い方は便利ですが、異常に気づけないという点で危険です。何かあったときにすぐ対処できる環境で充電することが、万が一に備える上で非常に重要です。

モバイルバッテリーは、現代生活に欠かせない便利なアイテムです。しかし、その内部には爆発性をもつリチウムイオン電池が搭載されているという事実を、私たちは忘れてはいけません。

近年では、耐熱温度1000度前後の防炎ポーチなども市販されており、数千円で購入することができます。高温環境での持ち運びや保管が不安な場合は、こうした安全対策アイテムの活用も一つの有効な手段です。
猛暑は今後もしばらく続くと予想されており、同様の事故が繰り返される可能性も十分にあります。

正しい製品を選び、正しく使うことが、私たち自身と、身の回りの人々の安全を守るための、もっとも確実で現実的な方法です。また、モバイルバッテリーの事故を防ぐためには、日々の使い方とあわせて、リコール情報の確認が欠かせません。
消費者庁の特設ページもぜひご覧ください。

《参考》 モバイルバッテリーの事故に注意しましょう!-帰省や旅行の時期、公共交通機関の中での事故は特に危険です-
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_020/

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