コンセントから火が出る?知らぬ間に潜む「プラグ火災」のリスクとは
防火管理者のこづっきです!
当社の防火管理者外部委託サービスには、「建物+テナント」プランがあります。このサービスは、建物共用部の防火管理を当社が受託していることを前提に、その建物に入居するテナントの防火管理者業務を特別価格でお引き受けするというものです。月額1,500円(税抜)〜と非常にリーズナブルな料金でありながら、責任を持って防火管理者の業務を行います。
本サービスの特徴は、防火管理の強化に向けて、テナントの皆さまと一緒に汗を流しながら取り組むスタイルにあると考えています。具体的には、毎月の防火点検時に共用部だけでなく各テナントも訪問し、防火管理の状況を確認していますが、当社の点検とは別に、テナントスタッフの皆さまに「防火チェック表」への記入を毎日実施していただいています。
この「防火チェック表」は、総合スーパーのトイレ等に貼られている清掃チェック表のような形式で、営業終了時に防火に関するいくつかの項目を毎日確認し、記入していただくものです。チェック表は当社スタッフが建物訪問時に回収し、防火管理者として内容を確認しています。
チェック項目の一例として、電気器具の配線状況を確認する内容が含まれており、これはプラグ火災を防ぐことを目的の一つとしていますが、一見すると些細なことのように思われるかもしれません。 しかし、実際には重大な火災リスクにつながる要因でもあります。ここでは、その具体的なリスクについて詳しくご説明します。
意外と知らない!プラグ火災を引き起こす3つの原因
■ホコリによるトラッキング現象
コンセントにプラグを差したまま長時間使用していると、プラグとコンセントの間にわずかなすき間が生じ、そこにホコリが少しずつ蓄積していきます。このホコリが空気中の湿気を吸収することで導電性を持ち、微弱な電流が流れるようになります。やがてこの電流が発熱を引き起こし、炭化したホコリが発火する――これが「トラッキング現象」と呼ばれる火災の原因です。テレビや冷蔵庫の裏など、普段目が届きにくい場所で発生しやすいため、気づかないうちに火災に至る危険があります。
■過電流・たこ足配線の使いすぎ
延長コードや電源タップを使用して複数の機器を同時に接続する、いわゆる「タコ足配線」は、便利である一方で大きな危険を伴います。本来の定格容量(使用できる電力量)を超えて電流が流れると、コードやプラグが異常に発熱し、最悪の場合は発火につながります。特に電気ストーブや電子レンジ、ドライヤーなど消費電力の大きい機器を同時に使用するケースでは注意が必要です。電源タップにたくさんの機器をつなげることがリスクを高めるという意識が必要です。
■プラグの劣化・ゆるみ
コンセントや電源プラグも長年使用していると摩耗し、差し込みが緩くなってくることがあります。プラグがしっかりと差し込まれていない状態では、接触が不安定になり、そこからスパーク(火花)が発生したり、局所的に発熱したりすることで火災に至る可能性があります。また、差し込みが緩いまま無理に使用を続けると、プラグやコンセントの内部部品も劣化し、発火のリスクがさらに高まります。

プラグ火災を防ぐために心がけたい5つの習慣
コンセントプラグ火災を防ぐためには、日々のちょっとした意識と行動が、火災を未然に防ぐ大きな力になります。当社のサービスをご利用いただいているテナントの皆さまは、日々のチェックを通じて自然と防火意識が高まりますが、そうでない場合でも、以下のような対策を習慣づけることで、安全な職場環境の維持につながります。
■掃除機をかけるついでにプラグ周辺もチェック!
電源まわりはホコリが溜まりやすい場所です。とくにテレビや冷蔵庫の裏側、キャビネットの裏などは死角になりがちで、気づかないうちにホコリが蓄積しています。掃除機をかける際に、プラグ周辺も目視で確認し、ホコリがあれば乾いた布などでこまめに拭き取るようにしましょう。水拭きは感電の恐れがあるため避け、乾いた布やハンディモップがおすすめです。
■たこ足配線をやめ、必要な数だけの電源タップを使用する
電源タップに機器を必要以上に接続すると、定格電流を超えた負荷がかかり、コードの異常発熱や火災の原因になります。とくに電子レンジ、ポット、ヒーターなど消費電力の大きい家電は、同時使用を避け、できるだけ個別の電源で使用してください。タップに表示されている「最大ワット数(W)」や「定格電流(A)」を確認し、合計が上限を超えないように意識することが重要です。
■使っていないプラグは抜く!
使っていない電化製品のプラグを差しっぱなしにしていると、ほこりの蓄積や経年劣化による発火リスクが高まります。「とりあえず差しておく」ことは習慣になりがちですが、使用しない機器のプラグは必ず抜くようにしましょう。とくに長期不在時や閉店後の退店時には、使用していない電化製品の電源はオフにし、プラグを抜いておくことをおすすめします。
■防火対応のコンセントやタップを選ぶ
電源タップや延長コードを選ぶ際には、「耐トラッキング性」や「感電防止シャッター付き」といった安全機能が備わった製品を選ぶようにしましょう。たとえば、感電防止シャッターがあると、異物の挿入やホコリによる接点露出を防げます。さらに、難燃性素材やサージ対応機能がある製品もおすすめです。火災や電気的トラブルのリスクを軽減でき、長期間安心して使用することができます。
■定期的にコンセントやタップの状態を見直す
普段あまり気にしないコンセントの周辺ですが、定期的に「コンセントやプラグに焦げ跡がないか」「差し込みがゆるくなっていないか」「タップのコードが傷んでいないか」などを点検することが大切です。少しでも異常を感じたら、すぐに使用を中止し、新しいものに交換してください。
このように、日々の小さな確認と対策が、大きな事故を防ぐための基本となります。当社では、テナントの皆さまとともに、こうした意識を共有しながら、防火管理体制の強化に取り組んでまいります。
