マンション・貸しビルに防火管理者が必要な条件とは

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マンションや貸しビルに防火管理者が必要な条件

お住いのマンションや貸しビルに『防火管理者が必要か』は次の2つの条件から判断してください。​

特定防火対象物の場合(不特定多数のものが出入りする 例:飲食店・病院・物販店・カラオケボックスなど)

収容人員30人以上

非特定防火対象物の場合(不特定多数のものの出入りなし 例:共同住宅・事務所・工場など)

収容人員50人以上​

収容人員というのは、防火対象物に出入り、勤務、または居住する者の数のことですが、算出方法は対象によって異なります。例えば飲食店の場合、基本的に『従業員数+座席数+その他のスペースは3㎡ごとに1人』と計算します。

収容人員が50人以上の共同住宅では防火管理者が必要となるため、ほとんどのファミリー向けのマンションが対象となり、1階に飲食店やコンビニが入居していれば単身者向けの小さなマンションでも収容人員が30人以上であれば防火管理者が必要となります。
また、「防火管理者が必要とされるビルに入居するテナント」は、各テナントごとの収容人員が少なくとも、基本的には「各テナントごとに防火管理者を選任」しなくてはいけません。そのため、選任した防火管理者の退職​や人事異動​の都度、新たな防火管理者を選任する必要があります。

防火管理者が必要なビルに入居するテナントは、収容人員が少なくとも、基本的に防火管理者を選任する必要があります。

防火管理者講習は気軽に受けられない

少し賑わっている駅前をぐるっと見渡せば、目に入るほとんどのビル・入居するテナントごとに防火管理者が必要なことがわかります。しかしながら、防火管理者は手を上げれば誰でもできるというわけでなく、乙種で1日、甲種で2日の講習を受けて初めて防火管理者となることができます。
甲種防火管理者講習は2日連続で実施されるため、企業に勤めている人は貴重な土日をつぶすか有給休暇を消化することになります。プログラムは最後の1時間を除いて机上講習ですが寝ることは許されません。​

忘れてはならないのが、人命が失われるような火災が発生して、その理由が『防火管理上の不手際』だった場合、『防火管理者は刑事責任を負うリスクがある』ということです。そのため、ボランティアで気軽に引受けるような役割ではなく、管理会社も業務から切り離しているケースが多いです。人から頼まれて名前を貸しているだけの防火管理者はこの点に注意をしてください。

防火管理者を外部委託するという選択

​防火管理者のなり手不足に対応するため、一定の条件を満たせば「外部委託」が認められています。

防火管理者の外部委託を認める条件​

管理的又は監督的な地位にある者のいずれもが、次のいずれかの事由により防火管理上必要な業務を適切に遂行することができないこと。

  • ​東京消防庁管外に勤務している。
  • ​身体的な事由(高齢・病気等)がある。
  • ​日本語が不自由である。
  • ​従業員がいない又は極めて少ない。
  • ​その他消防署長が認める事由がある。

※東京消防庁ホームページより https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/office_adv/jissen/p06.html

「東京消防庁の管外に勤務」とありますが、この「東京消防庁」は、他のエリアでは「管轄の消防署」と置きかえることができます。なお、「管外」の基準は消防署ごとに異なるため、それぞれの窓口で相談するしかありません。同じ県内の消防署であっても、近隣の県に在住する防火管理者でOKをもらえるケースもあれば、対象物件と同じ市内に居住する防火管理者しか認められないケースもあります。

「その他消防署長が認める事由」について、とある消防署予防課の責任者に直接尋ねたことがありますが、「実際には、そのような事由は存在しない」とはっきり言われました。私たちの判断からは除外したほうがよさそうです。

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