消防訓練のために「水消火器」を電車で運ぶ防火管理者

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小規模ビルの消防訓練


防火管理者のこづっきです。神奈川県の県央部、最近「東京都心への乗り入れ」で話題の相模鉄道(相鉄線)沿線の駅近くに立つビルで、当社が統括防火管理者をお引き受けして最初の消防訓練を行いました。
ファーストフード店、美容室、学習塾等が入居する小規模なビルです。

1か月前の巡回点検時にテナントへ消防訓練の告知をさせていただいたうえで、当日は1時間前に現地に着いて、各テナントを戸別訪問し消防訓練への参加をお願いします。

ところが、全部のテナントから「今日は忙しくて参加ができない」との回答がありました。

・学習塾→先生が出てこられて「この時間は1人で生徒を教えているので外に出られません」
たしかに生徒さんが一生懸命勉強しています。
・美容室→店長が出てこられて「消防訓練の案内は頂いていますが、今日は予約が一杯で、スタッフ全員フル稼働で参加は難しいです、ごめんなさい。」
確かにお客さんが一杯で忙しそう。

・ファーストフード→店長さんらしき方が「わかりました、3時ですね」
これで一テナントだけにでも防火の大切さをお伝えできます。

しかし、、、時間になりましたが、誰も表に出てこられません(汗)。

これは最悪の状況です。渋谷から東横線→相鉄線を乗り継ぎ1時間以上かけてきたのに、このままでは「こづっきのひとりぼっち消防訓練」になってしまいます。

そこで、テナントの皆さんが忙しいのは百も承知で、もう一度各テナントを訪問。

・ファーストフード→お客さんが並んでいて一杯、これは無理です。
・美容室→やはりお客さんで一杯、これも無理です。
いくら防火管理が重要であっても、商売を止めてでもお願いすることはできません。

そして最後、学習塾→恐る恐る声をかけると、先ほどの先生が出てきたので、「先生、5分だけでも参加しませんか?」と尋ねると「わかりました、では生徒を指導した後、20分後に降りていきますね」

こづっき、うれしい(泣)

ひとりでも「万が一」に備えていただきたい

学習塾の先生が出てくださって、何とか消防訓練を開始できました。
とはいえ、先生は本来仕事中です。超スピード訓練でないといけません。こづっきの企業秘密ですが、とにかくポイントを押さえてレクチャーします。

先生は消防訓練への参加は初めてで、真剣に聞いてくださいました。

水消火器の操作訓練もきちんと実施。合格です!

無事に消防訓練を終えて、先生は生徒のもとへ戻っていかれました。万が一火災が発生したら、本物の消火器を使って子どもを守ってあげてください。それでもだめなら速やかに119番をおねがいしますね。

小規模なビルでは、テナントやそこで働く従業員の絶対数が少ないので、今後は訓練の開始時間をずらしたり消防・防火・防災に関する読み物を配って共有するなど工夫しながら、万が一の時に備えられるような支援を続けたい、と水消火器を抱えて混雑し始めた相鉄線に乗って帰るのでした。
(こづっき)

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