防火管理者の重複選任を例外的に認めていただいた
先日、東京都江東区の新築マンション(投資用ワンルーム、約60戸)の分譲主から「防火管理者外部委託」のご相談があり、スタッフが管轄の消防署へ外部委託の可否について照会したのですが、消防署予防係の担当者から
「1人の防火管理者による重複選任はNG」
と言われ、ヘルプが入りました。
私の方で当社の業務内容や防火管理業務の体制・ポリシーを説明し、最終的には例外的に認めていただける方向で、選任届や消防計画を提出することとなりました。
その電話で、消防署の担当者が防火管理にとても詳しく、親切で説明がわかりやすい方だったので、この電話を機会に、つい様々な質問をさせていただき、30分ほど長電話にお付き合いいただきました。(ありがとうございました!)
防火管理は消防法・施行令・指針・条例の理解と遵守が必要
その話の中で、一致した話の中に、
「防火管理は消防法の規定に基づくだが、消防設備の点検と異なり、具体的な防火管理の業務内容や定量化された規準の記載がなく、個別案件ごとに対処が必要で本当に難しい」
というものがありました。
誤解を恐れずに言えば、消防法では大雑把に「防火管理の遵守」を規定しているが、具体的な実務については「施行令(施行規則)」「指針」「市区町村(消防局)単位の条例」といった詳細事項に委ねられていて、すべてを完璧に、網羅的に理解し、すぐに回答できる人はほとんどいないと思います。
その消防署の担当者はものすごく謙虚な方で、
「防火管理に関するプロであっても、具体的な相談事案ごとに各種法令や指針・条例を調べて、可否を慎重に調べた上で回答するようにしている」
とのことで、こちらも身が引き締まる思いになりました。
我々防火管理者を外部委託でお引き受けする会社としては、法令順守が第一で、かつ地域や物件ごとに事案が異なることを念頭に置き、「あそこの物件がOKだから、こちらもOKだろう」という安直な考えは一切捨てて、常に新鮮な気持ちで案件に臨まなければならない、と再認識させていただきました。
最近、おかげさまで行く先々の消防署の方から「お宅は防火管理者の実績があると聞いている」「ホームページを見た」「読売新聞に御社の防火管理者の取り組みが載っていたのを見た」「法令順守の姿勢が素晴らしい」と言っていただけるようになり、今のところ消防署からは前向きなご評価をいただけていることを実感します。
初心忘れるべからず。目の前の一件一件をコツコツと。