参加者が飽きにくい消防訓練にするための工夫

参加者が飽きない消防訓練へ
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消防訓練でスタッフ用資料を用意している理由

当社では、消防訓練に参加された方はもちろん、当日参加できなかった方に対しても、ポストへの投函という形で専用の資料をお届けしています。避難の基本、通報の流れ、消火器の使い方などを、限られた時間の中でわかりやすくお伝えするうえで、こうした配布資料は欠かせません。また、当日参加できなかった方にとっても、防火・防災の基本を知っていただく機会となるよう、この資料を活用しています。

一方で、消防訓練を実施するスタッフが、その資料をただ読み上げるだけでは、参加者の印象に残りにくいという課題があります。そこで当社では、お客様にお渡しする資料とは別に、スタッフ用の消防訓練資料も用意しています。スタッフが訓練を進行する際の考え方、問いかけの方法、説明の順番、注意点などを整理し、単に「資料を読む人」ではなく、「理解を引き出す人」として訓練を進められるようにしています。

このスタッフ用資料は、単に話す内容を並べたものではありません。訓練開始前の基本ルールとして、集合場所への到着時間、参加者がいない場合の待機、清潔な身だしなみや腕章・IDカードの着用、手引きの配布、訓練後の投函、掲示物の取り外しなど、必要な準備や対応事項を整理しています。訓練の質は、実際に話し始める前の準備段階からすでに始まっている、という考え方です。

さらに、心得として、元気よく堂々と話すこと、資料ばかりを見ずに参加者の顔を見て話すこと、参加者が飽きないよう積極的に問いかけを行うことも明記されています。消防訓練では、正しいことを言うだけでは足りません。参加者が「自分ごと」として受け止められる空気をつくることが必要です。

消防訓練資料は「説明」ではなく「行動」につなげることが大切

スタッフ用資料の中身を見ると、避難訓練・通報訓練・消火訓練のそれぞれについて、参加者の理解が深まるよう工夫されています。

たとえば避難訓練では、「集合場所に集まること自体が避難訓練の一環」であると説明されています。単に“ここに集まってください”ではなく、エレベーターを使わずに集合場所へ向かう過程で、実際に避難経路を確認しているという意味づけがされているのです。これは参加者にとって、自分がすでに訓練の中にいることを実感しやすい説明です。

火災時の煙についても、ただ「煙は危険です」と説明するだけでは、その怖さはなかなか伝わりません。煙には有害な物質が含まれており、吸い込むことで意識を失ったり、動けなくなったりすることがあります。また、火災では煙を吸い込んだことが原因で命を落とす方も多く、十分に注意しなければなりません。

さらに、火災で発生する煙は熱を持っているため上に上がりやすく、特に階段や吹抜けでは縦方向に速く広がりやすいことも説明しています。そのため、この資料では、知識として伝えるだけでなく、「だから低い姿勢で避難することが大切」「だからできるだけ早く避難しなければならない」と理解してもらえるような内容にしています。

また、防火戸の前に物を置かないこと、避難はしごや蹴破り戸の周囲に私物を置かないことなども、設備の名前だけで終わらず、「いざというときに使えなくなる」という結果まで伝える構成です。日常の何気ない行動が、非常時の安全に直結することを実感しやすくしています。

スタッフ用資料の中身を見ると、避難訓練・通報訓練・消火訓練のそれぞれについて、参加者の理解が深まるよう工夫されています

消防訓練で参加者を飽きさせないための工夫とは

当社のスタッフ用資料の特徴の一つが、質問タイムを多く設けていることです。

たとえば、誘導灯について「昼間でも点灯している理由は何か」、避難時に「廊下とベランダのどちらから逃げるのが基本か」、「煙が縦方向に広がるスピードはどれくらいか」、「エレベーターを使ってはいけない理由は何か」、といった形で、三択や二択で問いかける構成になっています。参加者は、ただ説明を受けるのではなく、一度自分で考えることになります。これだけで聞く姿勢が変わります。

通報訓練でも、「勤務先の住所をすぐに言えますか」「住所以外の目印で説明できますか」といった問いかけを取り入れています。火災時には、普段なら言えるはずの住所が、とっさに出てこなくなることがあります。また、勤務先の住所は意外とすぐに答えられないことも少なくありません。だからこそ、その場で一度考えてもらうことに意味があります。

さらに、スタッフが消防役となって119番通報のロールプレイを行い、お客様に通報役をお願いする流れも用意しています。こうしたやり取りを通じて、知識が「聞いた話」で終わるのではなく、「実際にやってみた経験」として残りやすくなるのです。

消火訓練では、消火器の基本3ステップとして、安全ピンを抜く、ノズルを火元に向ける、レバーを握るという流れを示したうえで、可能であればスタッフが先に実演し、その後に参加者にも代表で体験してもらう構成です。消火器を使う位置は火元から3~6メートル程度、火元を狙う、逃げ道を確保する、低い姿勢で扱う、そして安全ピンは現場についてから抜く、といった注意点も盛り込まれています。こうした具体性があると、参加者は「なるほど」で終わらず、「自分ならどう動くか」を想像しやすくなります。

消防訓練でよくある質問をスタッフ用資料に盛り込む理由

消防訓練の場では、毎回まったく同じ質問が出るわけではありません。しかし、現場でよく出る疑問には、ある程度共通する傾向があります。だからこそ、スタッフ用資料には、よくある質問もあらかじめ盛り込んでいます。

たとえば、「家庭用として消火器を置いておいたほうがよいのか」「てんぷら油火災が起きたときはどう対応すべきか」「火災報知設備が鳴ったものの、炎や煙が見えない場合でも消防へ通報すべきか」といった疑問です。

家庭用消火器については、総務省消防庁でも種類や設置の考え方を紹介していますので、関心のある方は参考にしてみてください。

《参考》総務省消防庁「住宅用消火器」
https://www.fdma.go.jp/relocation/html/life/yobou_contents/fire_extinguisher/

消防訓練は、実施したという事実だけで終わらせるものではありません。参加者が飽きずに聞けること、覚えやすいこと、そして実際の行動につながることが大切です。そのためには、お客様向けの資料だけでなく、スタッフがどのように進行するかを支える資料も欠かせません。

当社には全国に約100名の現場スタッフが在籍しており、元消防士など防火の知識や経験が豊富なスタッフもいます。一方で、すべてのスタッフが消防関係の仕事に就いていたり、防火の実務を経験していたりするわけではありません。

だからこそ、忙しい中で参加してくださるお客様に対して、どの担当者が訓練を行っても、できるだけわかりやすく、伝わりやすい内容にする必要があります。担当者によって説明の質に大きな差が出ないようにすることは、企業としての最低限の責任であると同時に、参加者の命を守るための大切な工夫でもあると考えています。

私たちはこれからも、現場でしっかり伝わる消防訓練を大切にしていきます。

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