再講習、忘れていませんか?防火(防災)管理者の注意点

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防火・防災管理者の再講習、5年ごとの義務と注意点

建物全体の収容人員(その建物に入ることができる最大人数)が300人以上の特定防火対象物において選任される防火管理者、また、そのような建物に入居するテナントで甲種防火管理講習を修了し、甲種防火管理者として選任されている方は、防火管理に関する知識の維持・向上を目的として、5年以内に再講習を受講することが義務付けられています。

同様に、地震など火災以外の災害にも備える必要がある大規模建物等における防災管理者についても、5年以内の再講習受講が求められます。これらの再講習は、実務に必要な知識を継続して身につけていただくための制度です。

再講習の対象となる「収容人員300人以上の特定防火対象物」とは、不特定多数の人が出入りする比較的大規模な建物を指し、たとえば駅ビルのような商業施設、ホテル、病院などが該当します。
一方で、オフィスビルのように出入りする人が原則として特定の関係者に限られている建物の場合は、たとえ収容人員が300人以上であっても「不特定多数の人が出入りする建物」には該当しません。そのため、入居企業ごとに選任されている防火管理者は再講習の対象外となります。

ただし、一定の資格や実務経験を有する「学識経験者等」に該当する方については、防火管理講習および再講習の受講は免除されます。該当者には、消防や警察の管理職経験者、一級建築士で防火管理の実務経験がある方、危険物保安監督者などが含まれます。詳細は、事業所所在地を管轄する消防署へお問い合わせください。

なお、再講習は5年ごとに受講が必要ですが、自動車運転免許のように更新時期を知らせる通知は届きません。受講期限を過ぎないよう、講習修了日や選任日を各自で把握し、適切に管理することが重要です。再講習を受講していない場合でも、防火管理者や防災管理者としての資格そのものが失効することはありませんが、選任されていないものと見なされる可能性があるため、法的には選任義務違反と判断されるおそれがあります。必ず受講期限を確認し、期限内に再講習を受講してください。

再講習の受講期限は、「講習修了日(前回の受講日)」と「防火・防災管理者の選任日」によって異なります。以下の2つのパターンがあります。

■パターン1(講習の修了日から4年以上経過してから選任された場合)
【条件】講習の修了日と防火・防災管理者の選任日の間が4年を超える場合
【受講期限】選任日から1年以内に再講習を受講

(例)2020年5月1日に講習を修了し、2024年6月1日に選任された場合
⇒ 受講期限は2025年5月31日

■パターン1(講習の修了日から4年以上経過してから選任された場合)
【条件】講習の修了日と防火・防災管理者の選任日の間が4年を超える場合
【受講期限】選任日から1年以内に再講習を受講  (例)2020年5月1日に講習を修了し、2024年6月1日に選任された場合
⇒ 受講期限は2025年5月31日

■パターン2(講習の修了日から4年以内に選任された場合)
【条件】講習の修了日と防火・防災管理者の選任日の間が4年以内の場合
【受講期限】講習修了日以後の最初の4月1日から5年以内に再講習を受講

(例)2020年5月1日に講習を終了し、2024年4月1日に選任される場合
⇒ 受講期限は2026年3月31日(2021年4月1日から5年以内)

■パターン2(講習の修了日から4年以内に選任された場合)
【条件】講習の修了日と防火・防災管理者の選任日の間が4年以内の場合
【受講期限】講習修了日以後の最初の4月1日から5年以内に再講習を受講  (例)2020年5月1日に講習を終了し、2024年4月1日に選任される場合
⇒ 受講期限は2026年3月31日(2021年4月1日から5年以内)

なお、甲種防火管理講習と防災管理講習をそれぞれ別個に受講された方については、受講期限が延長される場合があります。詳細は、東京消防庁の公式サイトなどでご確認ください。

▶ 東京消防庁|防火・防災管理講習のご案内
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/office_adv/jissen/p11.html#:~:text=%E9%98%B2%E7%81%BD%E7%AE%A1%E7%90%86%E8%80%85%E5%8F%8A%E3%81%B3%E4%B8%80%E5%AE%9A,%E5%8F%97%E8%AC%9B%E3%81%AE%E7%BE%A9%E5%8B%99%E3%81%AF%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%93%E3%80%82

20テナント一斉指導も 防災管理者未選任が招くリスクとは

大規模ビルや商業施設などに対する消防査察(立入検査)において、近年特によく見受けられる指摘事項のひとつが、テナントにおいて本来必要とされる防災管理者が選任されていないケースです。とりわけ、駅前の大規模な商業施設ではその傾向が顕著で、過去には20を超えるテナントに対して防災管理者の選任を行うよう、消防から一斉に指導が入った例もありました。

このようなケースでは、テナントの多くが飲食店や物販店舗などの全国チェーンを展開している企業であることが多く、一見すると本部の管理が行き届いていそうですが、実際には建物の規模や性質によって個別の防災管理体制が不十分な場合が少なくありません。特に、単独の路面店や小規模ビルに入居している際には、乙種防火管理者で足りていたとしても、大規模な建物に入居するテナントとなると、より高い防火・防災管理の体制が求められるため、チェーン全体で一律の対応をしている企業では対応が追いついていないことが要因のひとつと思われます。

実際にこのケースでも、建物全体として防災管理者の選任が必要とされる規模であったにもかかわらず、テナントごとの防火・防災管理体制が未整備のまま運営されていたことが、消防からの指摘につながっていました。

なお、当該建物の共用部における防火管理者および統括防火管理者については、当社がすでに選任され、管理を行っておりました。そのため、「テナントごとの防火管理者・防災管理者の選任が難しい場合には、当社がその役割を代行することも可能である」という提案を管理会社に対して行い、当社が低価格でこれらの役割を担う形での支援をご検討いただいていた状況でした。

しかしながら、ちょうどその時期に管理会社のリプレイス(変更)が決まり、当社との受託契約についても解約となってしまいました。そのため、その後に指摘事項が適切に是正され、防災管理体制が整備されたのかどうかは把握できていませんが、今となっては少し気がかりな案件のひとつです。

このような事例は今後も他の大規模施設で発生しうるため、テナントごとの防火・防災管理体制が適切に構築されているかを早い段階で確認し、必要に応じて柔軟に外部専門家の支援を活用することが望まれます。

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