簡単で充実した消防訓練を実施するための3つの方法

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消防訓練は、「消火訓練」「避難訓練」「通報訓練」の3つの訓練を実施することが定められています。しかし、その具体的な実施方法に関しては詳細な決まりが存在しないため、建物の消防設備の設置状況などに応じて柔軟に対応する必要があります。例えば、消火訓練の場合、消火器の使用方法を学ぶ内容や、屋内消火栓の操作方法を学ぶ内容などが考えられます。また、避難訓練では、エレベーターではなく階段を使用した、実際の火災を想定した避難経路の確認が不可欠です。

消防訓練の実施は、火災発生の緊迫した状況下においても冷静な判断と行動が取れるようにするため、運営者と参加者が対面する実地訓練が望ましいです。実地訓練の素晴らしい点は、各訓練を実体験できるところにあり、特に訓練用の消火器を使用するケースでは、操作方法を頭で覚えるだけでなく身体で覚えることにより、火災発生の際にもスムーズに使えるようになります。一方で、仕事や家庭の用事などで参加できないために「参加者が少ない」という問題を抱える建物も少なくありません。このような状況を改善するためには、参加しやすい時間帯に訓練を設定することや、オンラインでの訓練を取り入れるなどの工夫が必要です。

実地訓練以外で有効な消防訓練の実施方法が3つありますので、ご紹介します。

①自治体のWEBサイトを活用する
自治体によっては、WEBサイト上で消防訓練を実施できる仕組みが用意されています。このようにWEB上で消防訓練を可能としている自治体では、消防訓練に必要な届出もWEB上で完結できるため大変便利です。参考として、東京消防庁と横浜市(横浜市消防局)のURLをご紹介します。なお、これらの自治体のWEB訓練を管轄外の消防署が1回の消防訓練として認めるか否かは、各消防署の判断となるため、実施前に相談したほうが良いでしょう。

《参考》
東京消防庁 ネットで自衛消防訓練
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/office_adv/jiei_shoubou/about.html

横浜防災eーパーク(横浜市消防局)
https://bousaie-park.city.yokohama.lg.jp/

②リモート消防訓練
当社で活用している消防訓練の運営方法の一つに、リモート消防訓練があります。リモート消防訓練とは、消防署が作成しているYouTube動画を活用する手法で、当社が用いている呼称です。東京消防庁をはじめとする主要都市の消防局では、消防訓練の参考となる様々なYouTube動画が公開されており、非常に分かりやすく説明されています。これらの動画を通じて、実地訓練でなくとも火災への対処法を視覚的に理解することができ、自宅や勤務先の建物構造や消防設備を確認しながら視聴することで、より実践的な訓練とすることもできます。

当社では、これらのYouTube動画の利用許可を事前にいただいた上で、動画にアクセスできるQRコードを作成した資料を全戸に配布し、消防訓練を実施しています。防火管理者外部委託サービスの一環として実施する消防訓練は、実地訓練を基本としていますが、お客様からの要望や、消防訓練の実施回数、過去の実地訓練への参加状況などを鑑みて、リモート訓練を有効に活用するようにしています。リモート訓練の最大の特徴は、個々の住人が空いた時間を利用して、防火防災に関する知識を高めることができる点です。そのため、実地訓練を実施しても常に参加者が少ないとお困りの建物には、お勧めの方法といえます。

注意点として、自治体によってはYouTube動画の利用に申請書の作成が必要なケースがあるなど、対応が異なるため、事前に対象の自治体に相談することが重要です。また、管轄の消防署がこれらの動画視聴による消防訓練を1回の消防訓練として認めるかどうかも事前に確認する必要があります。多くの消防署から許可を得ることができますが、実地訓練のみを推奨する消防署もあるため、ご注意ください。

ZoomなどのWEB会議ツールを活用して実施する消防訓練を提供しています。

③オンライン消防訓練
ZoomなどのWEB会議ツールを活用して実施する消防訓練を、オンライン消防訓練と呼んでいます。WEB上での訓練ではありますが、対面で行えるというメリットがあり、さらにPCやスマホがあればどこにいても参加できるという利便性も兼ね備えています。また、PowerPointで作成した資料やYouTube動画など様々なコンテンツを用意し、WEB会議ツールの共有機能を活用することで、視覚的な効果を最大限に引き出した説明を行うことができます。消防署が制作した訓練動画を用いるなど、工夫を凝らすことで、参加者が具体的な状況をイメージしやすくすることが可能です。

さらに、質疑応答の時間を設けることで、訓練内容をより深く理解する機会を提供することができます。例えば、参加者が自宅や職場の建物構造や設備に関する具体的な質問をし、それに対して講師が実践的なアドバイスを行うことで、実生活に即した訓練を実現できます。このような双方向のコミュニケーションを通じて、参加者の理解を深め、実際の火災発生時に役立つ知識を習得することができます。

注意点として、リモート訓練同様に、1回の消防訓練として認めてもらえるかどうかは管轄の消防署によって異なることがあります。そのため、事前に確認をするようにしてください。また、講師役の方が一方的に話すだけでは参加者が飽きてしまう傾向があるため、クイズ形式を取り入れるなどの工夫が必要となります。

当社では、消防訓練以外の防火管理者に必要とされる業務を実施していることを条件に、消防訓練をフルサポートするサービスを提供しています。実地訓練に加え、全国を対象としたオンライン消防訓練もご用意しています。オンライン消防訓練では、防火管理のプロである当社の担当講師が資料や動画を用いてわかりやすく説明いたします。また、全国に店舗や支店を展開している企業向けの防火研修も承ります。詳しくは、こちらをご覧ください。

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