過去最大級!大規模な消防訓練なのだ!
防火管理者のこづっきです。
東京都内で統括防火管理者を受託している超巨大なオフィスビルの消防訓練を実施しました。
このビルには、超有名な大企業が入居しておりますが、素晴らしいことに火災や震災への意識が高く、440名もの参加者がいました。これまで多くの消防訓練を実施してきましたが、このような大規模な訓練は初めてのことで、大変驚きました。
ビルの安全のために日ごろ努力されている防災センターの方々と事前に綿密な計画を立て、当日は…
10:00
警備隊長の「放送開始!」という掛け声で、放送担当者が口火を切りました。
「訓練中、先ほど地震による大きな揺れがありました!」
10:05
「訓練中、火災発生、火災発生。11回給湯室で火災が発生しました。指示されたフロアの方は避難を始めてください!」
大地震の後に火災が発生したという設定。近い将来、十分にあり得ることです。大勢の社員が非常階段を使って一斉に降りてくるため、安全を確保する目的で、高層階、中層階、低層階の順番で避難を誘導します。
この時、私は、1階の裏手にある託児所の子供たちをお迎えに行っていました。
そっと中を覗くと、放送に驚いて泣き叫ぶ子や、黙々と玩具で遊ぶ子がいる中、どの子を避難場所に連れていくべきかについて先生たちは議論を交わしていました。
10:20
低層階の避難時間が訪れ、先生と一緒に防空頭巾をかぶった子供が10人ほど出てきました。なるほど園児の代表だけあり、颯爽とした表情で、誰ひとり騒ぐこともなく風を切って歩いていました。
大きな建物を周回し、園児たちを誘導し、1階正面玄関前の避難場所へと案内しましたが……そこには、人、人、人……
非常階段を使って避難訓練を終えたであろう、数百人の社員の色とりどりのヘルメットが、青空によく映えていました。
さすがに400名を超える人数が一堂に会すると危険なため、代表者約50名が残り、当社が主導して水消火器を使用した消火訓練を実施しました。水消火器は管轄の消防署からお借りした大きなサイズのもので、大人数の使用でも水切れを起こさず非常に助かりました。
また、今回は管轄の消防署の署員の方2名に参加していただいたため、消防訓練の講評をいただきました。署員の方からは、火災時の煙が非常に危険であり、縦方向へ広がる速度が人間の移動よりも遥かに速いこと、そのため防火戸の常時閉鎖がいかに重要かについて話がありました。
その後、広域避難場所である近隣の公園に約20名が移動して記念撮影を行い、大規模な消防訓練が無事終了しました。
今回の消防訓練で学んだことは3つあります。
- 440名の参加者が会社の代表であるということは、実際には数千名の社員が建物を利用しているということです。そのため、大震災や火災が発生した際には、パニックを起こさず全員が無事に避難できることが重要。
- 火災で最も恐ろしいのは煙です。実際に火災が発生し、煙が立ち上ると、あっという間に広がり、人命が危険にさらされます。防火戸の常時閉鎖は絶対必要。
- 念のため当社からは4名体制で参加しましたが、次回以降も、複数名での参加が必要(汗)。
今後もより安全な環境づくりに取り組んでいきます。