外では消防設備点検のプロでも、家に帰ると子煩悩なお父さん。
ちょっと色気の出てきた娘に頼まれて、ローティーン向けの雑誌を買ってくるハメになったお父さん。
本屋さんで
「オレが欲しくて買うんじゃないぞ!」
というアピールのために、レジの店員さんに「領収書をください」と言っています。
そんなお父さんのささやかな抵抗は、実は店員さんはまるで気にしていないのではないか?と思ったりします。
相手はプロで、膨大な量のレジ作業をしてるから、いちいち気にしてはいられないのではないか?
なぜなら、我々が消防設備点検でマンションのお部屋に入る時も、お部屋の状況はまったく気にならないから。
マンションの消防設備点検で気になるのは「火災感知器」ただ一つ
マンションのような集合住宅の消防設備点検に行くと、住人からものすごく恐縮されることがあります。
消防設備点検の心構えをしてなかったばっかりに、突撃お宅訪問!みたいになってしまった人は、
「今日が点検の日でしたっけ!?」「散らかっててスミマセン!」「狭くてスミマセン!」
「えっ!?押入れとクローゼットの中も点検するのですか?」(広めの収納の天井にも火災感知器がついています。)
と慌てられます。自分の家の中を見られるわけですから、少しでもよく見せたいと思うのは当然の心理だと思います。
しかし、私達消防設備点検のスタッフは、室内をまったく見ていません。
足の踏み場もないようなお宅であっても、実は気になりません。
なぜなら、私たちがチェックするところは、天井の火災感知器だからです。
押入れやクローゼットであっても、火災感知器の周辺にちょこっとしたスキマさえあれば、十分点検ができます。
火災感知器のところ(つまり押し入れの天井)ギリギリにまで物が詰まっているお宅はそうそうありません。
つまり、頭の中は
「熱感知器はどこだ」「煙感知器はここか」
「あ、感知器がちょっと凹んでいるな」
「建物が結構古いからそろそろ感知器も反応しないかも」
と、火災感知器のことでいっぱいです。
火災感知器の直下までたどり着ければ、つまづかない程度の床(ケモノ道ぐらいのスペース!?)があれば、部屋の状況など全く気になりません。
何百件、何千件とマンションの宅内点検に上がりますので、部屋の様子などまったく記憶に残りません。
消防設備の異常をチェックする以外のミッションはありません。それがプロというものです。
だからあなたの家も大丈夫。どうか安心して我々を室内に入れて下さい。
ただただ、熱感知器を見させて下さい!煙感知器のチェックをさせて下さい!
それでもって、お父さんも、ローティーン雑誌買うのに領収書なんてもらわなくていいんですよ。
それで領収書欲しがるお父さんのほうが、印象に残りますよ!!
以上、消防設備コレクターのよっしーでした!
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