マンションのベランダであった(熱いけど)背筋の凍る話
これは本当にあった話です。
ある人が小学生のときに、実際に目撃した話なのです。
日曜日の昼下がりに、マンションで起こったその事件
それは、あるのんびりとした休日に突然起こりました。
当時住んでいたマンションに、突然近所のおじさんがドヤドヤと上がり込んできました。それも数人。
上がり込んできたおじさんたちは、脇目もふらず部屋を横切って全員がベランダへ向かいます。
その人の父親も、みんなと一緒にベランダへ出ました。小学生だったその人も、一体なに事かと好奇心を抑えきれずにベランダへ出てみました。
おじさんたちはベランダから身を乗り出し、隣の部屋の様子をうかがっています。
え、公然覗き!?
いや、どうやら隣の住戸の部屋から白い煙が出ているという目撃談を聞きつけて来たようです。
確かに、ベランダに面するガラスサッシのあたりに薄く煙が漂っています。
ガラスサッシの向こうには、もっと濃い煙が立ちこめているようにも見えます。
ところが隣の部屋の中には人の気配がありません。どうやら隣の人は留守のようです。
「火事だ!」
手すりづたいに隣のベランダへ
事態を把握したおじさんたちが色めき立ち始めました。
3階にある狭いベランダに、数人の男たち。慌ててウロウロするおじさんに突き飛ばされそうになりながら、小学生だったその人はベランダの反対側の隅っこに身を寄せていました。
「とにかく、隣の部屋に行ってみないと!」
誰かが叫びます。
と思う間もなく、ひとりの男が手すりをよじ登りました。
手すりを乗り越えて隣の部屋のベランダに侵入しようというのです。
火事場のバカ力とはよく言ったもので、とにかくその男は夢中。ここが3階であるということや、自分が転落するかもしれないということをすっかり忘れています。
身をよじりながらもなんとか手すりを乗り越えて、隣のベランダに到着。
そして勢いよく窓ガラスを割って部屋に侵入!
実は、この騒動は火事ではなかったのです。
煙は、害虫駆除の薬剤だったのです。
それを知って、集まったおじさんたちは全員ドッっと疲れが出た様子でした。
なんというお騒がせ事件。でも、何事もなくてよかった、、、と言う話。
実は、手すりを乗り越えた自称勇者は、ここに出てくる小学生の父親だったのです。この話は、当時小学生だったある人の目の前で起こったことなのです。実話なのです。
問題はそこじゃない!?
しかし、その話を知人から聞いた時、
「火災でなかったことは良かったけど、ベランダの手すりを乗り越えるとは!自分がメチャクチャ危ないじゃん!」と。
これこそ二次災害じゃありませんか!「火事じゃなくてひと安心」なんて胸をなでおろしてるけど、助けようとした人が転落したんじゃあ、別の事故です。
ヘタしたら死亡事故。胸をなでおろしている場合じゃありませんよ。
しかも、この話には「ベランダの仕切板(パーテーション)は割れる・割ってもいい・割るものだ」ということがスッポリ抜けています。
なんということでしょうか!我々消防屋が点検のたびにチェックしているベランダのパーテーションを、緊急時でも足で蹴破らないとは。
※子供だって頑張れば割れる!ベランダの仕切り板(パーテーション)は破って逃げてね!の動画はこちら!
どうでしょう。災害に遭って慌てたとき、自分は落ち着いた行動がとれると思いますか?
「マンションのベランダにある隣住戸との仕切り板(パーテーション)は破ることができるんだ」ということを、背筋の凍る話とともにお届けします。
以上、「消防設備コレクター」よっしーでした!
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